国の海洋進出“きぜんと
対応する” 外交演説

茂木外務大臣は衆参両院の本会議で外交演説を行い、春に予定されている中国の習近平国家主席の日本訪問を見据え、日中の協力関係を発展させるとした一方で、東シナ海での一方的な現状変更の試みは「断じて認められない」と述べ、きぜんと対応する考えを強調しました。

この中で茂木外務大臣は中国との関係について「両国は世界の平和と繁栄に欠かせない大きな責任を共有している。春に予定される習近平国家主席の国賓としての日本訪問を見据え、あらゆる分野で交流・協力を一層発展させる」と述べました。

一方で沖縄県の尖閣諸島周辺を含む東シナ海での中国の海洋進出について「一方的な現状変更の試みは断じて認められない」と述べ、きぜんと対応する考えを強調し、中国当局による日本人の拘束事案についても前向きな対応を求めるとしています。

また、関係が冷え込む日韓関係については、韓国側の責任で太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題の解決策を示すよう引き続き強く要請するとしています。

さらに、ロシアとの北方領土問題を含む平和条約交渉について「1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させるとの両首脳の合意を踏まえ、粘り強く交渉に取り組む」と述べました。

一方、緊迫化している中東情勢については、アメリカと同盟国でありイランと伝統的な友好関係がある立場を生かし、外交努力を続け中東地域の平和と安定に向けて取り組む考えを強調しました。