来の定額負担」
に反対 日本医師会

全世代型社会保障制度の実現に向けた政府の検討会議が開かれ、日本医師会の横倉会長は患者側の負担の増加につながる改革は慎重に検討すべきだとして、特に外来受診の際に定額負担を求める制度の導入には反対する考えを示しました。

政府の「全世代型社会保障検討会議」は2回目の会合を開き、日本医師会など3つの団体へのヒアリングが行われました。

この中で、日本医師会の横倉会長は「将来を見据えて医療全体の姿を丁寧に議論することを期待したい。財政論に偏った議論で結論を急ぐべきではない」と述べ、患者側の負担の増加につながる改革は慎重に検討すべきだと指摘しました。

特に、医療機関で外来受診の際に定額負担を求める制度の導入については「患者に負担を求めるもので容認できない」と反対する考えを示しました。

一方、8日の会合では若手や女性の企業経営者らに対するヒアリングも行われ、「医療制度改革は需要と供給の観点からのアプローチが必要だ」として、定額負担の導入を求める意見が出されたほか、75歳以上の後期高齢者の医療機関での窓口負担については「今の一律1割の負担ではなく、負担能力に応じた見直しが必要だ」といった指摘が出されました。

検討会議は次回もヒアリングを行い、関係団体からの意見や与党内の議論も踏まえて、年内に中間報告をまとめることにしています。

日本医師会 会長「一律に負担増を求めるのはだめ」

日本医師会の横倉会長は、会議のあと総理大臣官邸で記者団に対し、75歳以上の後期高齢者の医療機関での窓口負担を、今の原則1割から2割に引き上げることについて、「負担できるかたには、負担を少し上げてもらうということはありうるのではないか。その代わり、低額の年金しか受け取っていない方々の負担を上げることは反対だ。一律に負担増を求めるのはだめで、負担能力に応じた形がいちばんだ」と述べました。

サントリーHD 新浪社長「応能負担検討すべき」

サントリーホールディングス社長の新浪剛史氏は、記者団に対し、「経済成長を持続させるためには若い人たちの勤労意欲がもっと上がるような社会保障の制度にしなければならない。そのためには、負担能力のあるかたに負担してもらう『応能負担』をぜひ検討していくべきだと申し上げた」と述べました。