戦場」上映「市負担分
を打ち切る考えなし」市長

川崎市で開かれた映画祭で、一度は上映が中止された慰安婦問題をテーマにした映画が最終日の4日、一転して上映されました。上映に懸念を示していた川崎市の福田紀彦市長は「内容ではなく、訴訟が起きていることへの懸念で指摘は適切だった」としたうえで、開催費用のうち市の負担分を打ち切る考えはないとしました。

川崎市で開かれていた「KAWASAKIしんゆり映画祭」では、慰安婦問題をテーマにした映画「主戦場」について、共催する市が懸念を示し、主催するNPO法人が会場の安全面などを危惧して上映を中止しました。

この対応に表現の自由をめぐる批判や上映を求める声が相次ぎ、主催するNPO法人は、一転して最終日の4日、「主戦場」を上映しました。

一連の経緯について、川崎市の福田紀彦市長は5日の定例の会見で、市の担当者が電話や対面で合わせて4回、主催者に懸念を伝えたことを明らかにしたうえで「訴訟が起きている作品の取り扱いの問題で、内容への指摘ではなく、表現の自由の侵害だという批判は的外れだ。上映の判断は主催者にあり、懸念を示した対応は適切だった」と述べました。

そのうえで、映画祭の開催費用のうち市が負担する上限600万円を打ち切る考えはないとし、「市民の思いで始まった映画祭であり、今後も主催者などと意見を交換していきたい」と話しました。