位継承の議論は憲法の
議論以上に重要」玉木氏

安定的な皇位継承を確保するための方策について、国民民主党の玉木代表は先送りできない喫緊の課題だとして、憲法の議論より優先して検討するよう政府・与党に求めていく考えを示しました。

安定的な皇位継承を確保するための方策について、政府は天皇陛下の即位に伴う秋の一連の式典を終えたあと、慎重に検討を進めることにしています。

これについて国民民主党の玉木代表は記者会見で「『即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀』に参列し、男性皇族が減っていることに危機感を感じた。安定的な皇位継承について速やかに議論を開始すべきだ」と指摘しました。

そのうえで玉木氏は「憲法の議論以上に重要な問題であり、『憲法審査会の議論を先送りにしてはならない』と言うならば、安定的な皇位継承についての議論も先送りしないよう政府・与党に強く求めたい」と述べました。

また玉木氏は「女性宮家の創設や、男系の女性天皇を法制上可能にすべきという考えを党として示しているので、各党に理解求めながら議論を進めたい」と述べました。

立民 枝野氏「一日でも早く議論を」

立憲民主党の枝野代表は記者団に対し、「安定的な皇位継承は多くの国民が望んでいるし、維持する仕組みを整えることが今の時代に政治をつかさどる者の責任だ。簡単に結論を出せる問題ではないだけに、一日でも早く議論を始めることが歴史に対する責任だ」と述べました。

公明 石田氏「政府検討見極め議論」

公明党の石田政務調査会長は記者会見で「現在、皇位継承の資格がある皇族が3人しかいないことは、はっきりしている。安定的な皇位継承をどういうふうにしていくかは大きな課題だ」と述べました。

そして「まず政府が進めていくことを注視し、政府の考えがどういう形になるか見ていきたい」と述べ、政府の検討を見極めたうえで、党として議論を進めていく考えを示しました。

官房長官「慎重かつ丁寧に検討」

菅官房長官は午後の記者会見で、「安定的な皇位継承の維持は国家の基本に関わる極めて重要な問題であり、男系継承が、古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討していきたい」と述べました。

また皇族数の減少などについて、「皇族方のご年齢からしても先延ばすことができない重要な課題だ。この課題への対応についてはさまざまな考えや意見があり、国民のコンセンサスを得るには、十分な分析と検討が必要だ」と述べました。

そのうえで菅官房長官は「政府としてはまずは天皇陛下のご即位に伴う、一連の式典や行事が国民の祝福の中で、つつがなく行われるよう全力を尽くし、そのうえで、衆参両院の委員会で可決された付帯決議の趣旨を尊重し、対応していきたい」と述べました。

自民有志 旧宮家男子の皇族復帰など男系堅持を提言

自民党の有志の議員グループ「日本の尊厳と国益を護る会」は23日会合を開き提言をまとめました。

提言では「皇位の歴史は男系による継承のため、父を一系でたどることができ、仁徳天皇や神武天皇にまでつながる天皇家の皇統が続いてきた。かけがえのない伝統をひとときの時代の価値観や判断で断絶することは許されない」としています。

そして男系による皇位の継承を堅持すべきだとして、戦後皇籍を離れた旧宮家の男子が皇族に復帰したり、今の皇族の養子や女性皇族の婿養子になったりできるよう、政府に皇室典範の改正か特例法の制定を行うよう求めています。

議員グループでは来月にも提言を安倍総理大臣に提出することにしています。