電 会長859万円相当
社長150万円相当を受領

関西電力の経営幹部らによる3億円を超える金品受領問題で関西電力の岩根茂樹社長は改めて記者会見を開きました。
幹部らは現金や商品券のほか小判型の金貨や金杯、アメリカ・ドルなどを受け取っており、常務と元副社長の2人は受領額がそれぞれ1億円を超えていたことが分かりました。

▽八木誠会長は金貨や商品券、スーツなど859万円相当、
▽岩根茂樹社長は金貨150万円相当をそれぞれ受け取っていました。

金品を最も多く受け取っていたのは、
▽原子力事業本部長代理の鈴木聡常務でおよそ1億2367万円、
▽次いで原子力事業の経験が長い豊松秀己元副社長がおよそ1億1057万円で、
2人は現金のほか商品券や外貨、金貨などを受け取っていたということです。
処分 会長が報酬の2割を2か月返上
関西電力は、すでに実施し、これまで明らかにしていなかった経営幹部の社内処分の内容を明らかにしました。

八木誠会長は報酬の2割を2か月返上、岩根茂樹社長は報酬の2割を1か月返上としていました。2番目に多い金額の金品を受け取っていた豊松秀己元副社長は報酬の2割を2か月返上、金品を最も多く受け取っていた原子力事業本部長代理の鈴木聡常務を含め3人の経営幹部は厳重注意としていました。

現金・商品券・外貨・金貨・スーツ 金額の内訳

関西電力の幹部らが森山氏から受け取っていた金品の内訳は、
▽現金が1億4501万円、
▽商品券が6322万円分、
▽アメリカドルの外貨が15万5000ドル(1705万円相当)、
▽金貨が365枚、4949万円相当、
▽小判型の金貨が3枚、24万円相当、
▽金杯が8セット、354万円相当、
▽金500グラム240万円相当、
▽スーツが75着、3750万円相当で、
総額は3億1845万円相当になります。

12人の名前 明らかに

関西電力は、3億円を超える金品を受け取っていた20人のうち12人の名前を明らかにしました。

▽八木誠会長が商品券、金貨、金杯で859万円分、
▽岩根茂樹社長が金貨150万円分、
▽豊松秀己元副社長が現金、商品券、外貨、金貨など1億1057万円分、
▽森中郁雄副社長が現金、商品券、外貨、金貨4060万円分、
▽鈴木聡常務が現金、商品券、外貨、金貨などで1億2367万円分、
▽大塚茂樹常務が現金、商品券、外貨など720万円分、
▽白井良平元常務が現金、商品券、金貨790万円分、
▽勝山佳明元原子力事業本部副事業本部長が商品券2万円分、
▽右城望常務が現金、商品券など690万円分、
▽善家保雄原子力事業本部副本部長が商品券30万円分、
▽長谷泰行元高浜発電所長が商品券など230万円分、
▽宮田賢司原子力事業本部副事業本部長が商品券など40万円分。

このほか8人が、それぞれ、
▽400万円分、
▽85万円分、
▽30万円分、
▽50万円分、
▽20万円分、
▽125万円分、
▽115万円分、
▽25万円分を受け取っていたことを明らかにしました。

吉田開発への発注実績

関西電力によりますと、吉田開発に発注した工事金額は2013年度が4000万円、2014年度が5000万円、2015年度が1億円、2016年度が1億5000万円、2017年度が1億5000万円、2018年度が2億5000万円に上るということです。

また、ゼネコンを通じた間接発注は2013年度は調査を行っていないため不明、2014年度が6億5000万円、2015年度が8億4000万円、2016年度が10億8000万円、2017年度が21億円、2018年度が10億6000万円に上るということです。

「ダンプ突っ込ませる」「娘がいるだろう」

関西電力の調査報告書には、森山氏から、対応した幹部らをどう喝したり脅したりする発言が何度もあったと記されています。

森山氏は少しでも意に沿わないことがあると急に激高し、「無礼者」「お前みたいな者がわしに歯向かうのか」などと長時間にわたって叱責したり罵倒したりした、としています。

「お前とも関電とも関係を断ち切る。発電所を運営できなくしてやる」「原発立地当時の書類は今も自宅に残っている。これを世間に明らかにしたら大変なことになる」などと、原発運営の妨害を示唆するような発言もあったとしています。

さらに「お前のいいかげんな仕事ぶりを社長に言ってやる。今すぐ電話を社長につなげ」、「いつでも飛ばせるし首も飛ばすぞ」などというどう喝や、「お前の家にダンプを突っ込ませる」「お前にも娘がいるだろう。娘がかわいくないのか」といった、社員やその家族の身体に危険を及ぼすことを示唆するような発言もあったとしています。