本製バルブへの高関税
韓国に是正求める判断 採択

WTO=世界貿易機関は30日、韓国政府が日本製の空気圧バルブに高い関税をかけている措置について是正を求める最終判断を正式に採択しました。

ただ、この日の会合で日本政府が措置をやめるよう求めたのに対し韓国政府はどう是正するか明らかにせず、問題が長期化する可能性も出ています。

この問題は半導体の工場などで使われる日本製の空気圧バルブが不当に安く販売されているとして、韓国政府が最大で23%の関税をかけているもので、WTOの2審に当たる上級委員会がこの措置はWTOの協定に違反するとして是正を求める最終判断を報告書にまとめています。

報告書は30日に開かれたWTOの会合で正式に採択され、日本の事実上の勝訴が確定しました。

会合で日本政府は、韓国側が「大部分の実質的な争点で協定違反と立証されなかった」と主張していることについて、規定に沿わない内容が1つでもあれば関税措置は認められないとして、すぐにやめるよう求めました。

これに対して韓国政府は是正に向けた協議に応じる考えを示しましたが、一方で日本側の要求は受け入れられないとも発言し、関税をやめるかなど、どう是正するかは明らかにしませんでした。

このため今後は、韓国側がどのような対応を示すかが焦点になり、是正措置をめぐって日韓両政府が対立すれば問題は長期化する可能性も出ています。