バニアン」研究目的の
立ち入りめぐる条例成立

「千葉時代」を意味する「チバニアン」として、地球の歴史の一時代を代表する「国際標準地」への登録を目指す千葉県市原市の地層をめぐり、研究のための立ち入りを正当な理由なく妨げてはならないとする条例が、19日の市議会で全会一致で可決・成立しました。

茨城大学や国立極地研究所などのグループは、市原市の地球の磁場が逆転した痕跡が残るおよそ77万年前の貴重な地層を、地球の一時代を代表する「国際標準地」に登録するよう国際学会に申請していて、正式に登録されればこの時代を「チバニアン」=千葉時代と名付けるとしています。

一方で登録には「研究のための自由な立ち入り」が条件ですが、申請に反対する研究者が地層を含む土地の賃借権を地権者から得ていることが分かり、立ち入りが制限されるおそれが懸念されていました。

これに対して地層周辺を管理する市原市は、研究者が調査や研究を進めるため立ち入ることを、土地の所有者や賃借権者らが正当な理由なく妨げてはならないことや、妨げた場合は5万円以下の過料を科す罰則規定を定めた条例案を市議会に提出していました。

19日、本会議で採決が行われた結果、条例は全会一致で可決・成立しました。

市原市の小出譲治市長は「市原市だけの問題ではなく、歴史的に重要な財産で、可決されてうれしい。正式な登録に向けて後押しができたと思っている」と話しています。

台風15号の被害は確認されず

千葉県市原市は台風15号によって広い範囲で住宅などに被害が出ていて、地層の周辺では倒木などがあったものの地層自体の被害はほとんど確認されず無事だったということです。