米貿易協定に近く署名の
意向 米議会に通知

アメリカのトランプ政権は先月、大枠合意に達した日米貿易協定について、日本との間で近く署名する意向をアメリカ議会に通知したと発表しました。トランプ大統領としては両政府の署名のあと、早期の協定の発効を急ぎたい考えです。

日米貿易交渉は、先月開かれたトランプ大統領と安倍総理大臣の首脳会談で、牛肉や豚肉などの農産品や幅広い工業品の関税の引き下げなどで事実上の大枠合意に達したことが確認されました。

これを受けてトランプ大統領は、16日に発表した声明で「日米の関税に関する最初の貿易交渉が合意に達し、近く署名する予定だ」と述べたうえで、日本との間で協定に署名する意向をアメリカ議会に通知したことを明らかにしました。

また、デジタル分野の貿易協定にも署名する予定だとしています。

両政府は来週、ニューヨークで国連総会に合わせて首脳会談を開き、協定に署名することを目指しています。

ただ、トランプ政権の貿易協定をめぐっては、NAFTA=北米自由貿易協定を見直して、各国の間で合意した新たな協定が野党・民主党の反対などで議会の承認を得られていません。

トランプ大統領としては、日米貿易協定については議会の承認を必要としない特例に基づいて協定の発効を目指す方針で、今回の通知で議会の理解を得たい考えです。

菅官房長官「残された作業を加速している」

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、安倍総理大臣とアメリカのトランプ大統領が、今月下旬の国連総会に合わせて行う日米首脳会談で協定への署名を目指すことを確認したことを念頭に、「協定の案文調整を含め、残された作業を加速しているところであり、現時点では合意に至っていないため、これ以上のコメントは差し控えたい」と述べました。

茂木外相 「追加関税回避は文書で確認」

茂木外務大臣は、閣議のあとの記者会見で「日米双方にとって利益となる協定の早期発効を目指したい」と述べ、署名に向けた最終調整を急ぐ考えを示しました。

そのうえで、記者団が、アメリカが各国に対して検討している、自動車への追加関税を回避できるのか質問したのに対し「貿易協定の仕上がりの段階で、追加関税は課さないことを、何らかの文書で改めて確認したい」と述べ、自動車への追加関税を、日本には発動しないことを、協定の署名の際に文書で改めて確認したいという考えを示しました。