出規制「撤回に強い覚悟
で臨む」 韓国ムン大統領

日本政府が韓国への輸出規制を厳しくした措置を受け、ムン・ジェイン(文在寅)大統領は10日、今後の対応を協議するため韓国国内の大企業の幹部らと会い、日本の措置を「不当だ」と批判し、政府としてこの問題に強い態度で臨む姿勢を強調しました。

日本政府が先週、半導体の原材料になる「高純度のフッ化水素」などの韓国向けの輸出規制を厳しくする措置をとったことを受けてムン・ジェイン大統領は、10日午前、大統領府で、世界の半導体市場で大きなシェアを誇るサムスン電子や、SKハイニックスを傘下に収める企業グループなど30社の幹部や経済団体と会談しました。

冒頭、ムン大統領は「日本の不当な措置の撤回と対応策の準備に強い覚悟で臨んでいる」と述べて、政府として、この問題に強い態度で臨む姿勢を強調しました。

また、韓国が日本から輸入した「高純度のフッ化水素」が北朝鮮に流出した疑いが持ち上がっていることに関連してムン大統領は「日本政府が根拠もなく北朝鮮への制裁と結び付ける発言をすることは両国の友好と安全保障の協力関係にとって、けっして望ましくない」と述べて批判しました。

韓国政府は10日未明、WTO=世界貿易機関の理事会で、日本の措置は貿易ルールに反していると批判するなど対決姿勢を示しており、国内の企業の意見も踏まえ、今後、WTOの提訴に向けた手続きに踏み切るかどうかが一つの焦点になっています。