ワハラは部隊の精強性
を損なう」自衛隊員自殺で

海上自衛隊の隊員がパワハラで自殺した問題を受けて、防衛省は再発防止策をまとめ「パワハラは、部隊の精強性を損なう」とした新たな基本理念を示したうえで、行為が認定された幹部自衛官らに再教育を行うプログラムを導入する方針です。

去年9月、海上自衛隊の補給艦「ときわ」で当時の艦長らによるパワハラによって30代の男性隊員が自殺するなど、自衛隊では上司によるパワハラや同僚によるいじめが問題となってきました。

これを受けて防衛省は、26日の検討会議で自殺やパワハラの再発防止策をまとめました。

この中では「幹部自衛官らによるパワハラは、部隊の精強性を損なう」とした新たな基本理念を明記し、実力組織であることを理由にパワハラ的な行為が許容される風潮もあった組織文化を改め、隊員が自殺や病気に追い込まれれば、部隊の戦力ダウンにつながるという観点を重視するとしています。

そのうえで、パワハラと認定された幹部自衛官らに対し、指導能力を向上させる再教育プログラムを今年度中に導入する方針です。

鈴木防衛政務官は「パワハラで若い有為な人材を失うことは極めて遺憾で、組織全体として危機感を共有し、スピード感を持って取り組みたい」と述べました。