本関係の積み荷積んだ
2隻攻撃」世耕経産相

世耕経済産業大臣は、「中東のホルムズ海峡付近で日本関係の積み荷を積んだ船が攻撃を受けたという情報が入ってきた」と明らかにしました。経済産業省が情報収集を進めています。

世耕経済産業大臣は13日午後4時ごろ、日本ガス協会の会長らとの面会の冒頭で、「ホルムズ海峡付近で日本関係の積み荷を積んだ船が2隻、攻撃をされたという情報が入ってきた。先ほどから省内の緊急連絡会議を開いて、状況の報告を受けたところだ」と明らかにしました。

そのうえで世耕大臣は「引き続き徹底した情報収集に努めるとともに、関係事業者への注意喚起やエネルギー供給体制の再確認を行い、必要な指示をした」と述べました。

経済産業省によりますと、1隻は石油製品の原料となる「ナフサ」を積んで日本向けに輸送していた可能性があるということです。

もう1隻は、シンガポールとタイ向けの船舶だという情報が入っているということです。

また、現時点では、国内の大手石油会社による原油の輸入には影響はでていないとしています。

1隻は日本の海運会社運航の外国籍船舶

海運会社でつくる「日本船主協会」によりますと、攻撃されたという情報がある2隻のうち1隻は日本の海運会社が運航する外国籍の船舶だということです。

海運会社からの報告では、詳しい被害状況は分かっていないものの、乗組員に日本人はおらず、けが人もいないという連絡が入っているとしています。

日本船主協会は、情報収集を進めるとともに、会員の海運会社126社に対して注意喚起をしているということです。

日本船主協会によりますと、日本時間の13日午後2時ごろ、協会に加盟する日本の海運会社から「きょう昼前、サウジアラビアから東南アジア方面に向けて化学物質などを運んでいたタンカー1隻が攻撃を受けた」と連絡があったということです。

どのような攻撃を受けたか、詳しい内容は分かっていませんが、このタンカーはパナマ船籍で、フィリピン人の船員21人が乗っていて、これまでに全員救助されたという情報があるということです。

今のところ、けが人がいるという情報はなく、タンカーは付近の海上にとどまっているということです。

また、このタンカーとは別のタンカーも攻撃を受けたという情報がありますが、日本の海運会社が運航する船ではないため、詳しい情報は入っていないということです。

攻撃受けたのは「国華産業」が運航の船

海事関係者によりますと、攻撃を受けたのは東京 千代田区の海運会社「国華産業」が運航するケミカル船だとみられ、けが人はいないということです。

「国華産業」によりますと、攻撃を受けたのは、この会社が運航する「コクカ・カレイジャス」という名前の、化学物質などを運ぶケミカル船だということで、会社では「被害を受けたのは事実だ。現在、詳細を調べている」と話しています。

会社のホームページによりますと、この船は、2010年に竣工し、全長170メートル、総トン数1万9000トン余りの船だということです。

政府 情報連絡室を設置

中東のホルムズ海峡で日本に関係する船舶に被害が発生したという情報を受けて、政府は午後3時、総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、情報の収集と警戒にあたっています。

イラン外相「怪しいということばでは言い尽くせない」

2隻のタンカーが攻撃を受けたことについて、イランのザリーフ外相は、ツイッターに、「日本に関係するタンカーへの攻撃は安倍総理大臣とハメネイ師が友好的な会談を行っているさなかに起きた。怪しいということばでは言い尽くせないことだ」と書き込み、イランと敵対する勢力が緊張緩和に向けた動きを妨害しようとしているという立場をにじませました。