ちに進退の判断を」
丸山議員に糾弾決議案

北方四島を戦争で取り返すことの是非などに言及した丸山穂高衆議院議員に対し、与野党は「議員の資格はない」と糾弾し、みずから進退を判断するよう促す決議案を共同で提出しました。決議案は6日の衆議院本会議で可決される見通しです。

北方四島の「ビザなし交流」に参加し、戦争で島を取り返すことの是非などに言及した丸山穂高衆議院議員に対し、自民・公明両党と立憲民主党など野党6党派は5日、糾弾するための決議案を新たに共同で提出しました。

決議案では「丸山氏は、議員としてあるまじき数々の暴言を繰り返し、我が国の国益を大きく損ない、衆議院の権威と品位を著しく失墜させた」と批判しています。

そのうえで「国会議員としての資格はないと断ぜざるを得ない」と糾弾し「直ちにみずから進退について判断するよう促す」としています。

「決議案」は6日の衆議院本会議で可決される見通しです。

衆参両院の事務局によりますと、議員に対する「糾弾決議案」の提出は初めてだということです。

これに先立って、与党側が提出していた反省を促すための「けん責決議案」と、野党側が提出していた「議員辞職勧告決議案」はいずれも取り下げられました。

一方、丸山氏は国会に提出した弁明書で、みずからの言動は不適切で配慮に欠くものだとして謝罪する一方「人民裁判的な決定を行う言論府となることが危惧される」などと反論し、議員辞職は否定しています。

自民 菅原氏「即座に進退決めるべき」

衆議院議院運営委員会の与党側の筆頭理事を務める、自民党の菅原一秀氏は決議案を提出したあと記者団に対し、「『戦争で取り戻す』という丸山氏の発言は憲法9条違反とも言えるものであってはならないことだ。酒を飲んでの言動も、国会議員の権威や品位をおとしめている。丸山氏は与野党が共同で決議案を提出したことを重く受け止め、即座にみずから進退を決めるべきだ」と述べました。

立民 手塚氏「事実上 辞職勧告と変わらず」

衆議院議院運営委員会の野党側の筆頭理事を務める、立憲民主党の手塚仁雄氏は決議案を提出したあと記者団に対し、「『速やかに進退について判断をすべきだ』という文言を与党との交渉の中で勝ち取れたことで、事実上、議員辞職勧告決議案と変わらないものを全会一致で成立させられる環境を獲得することができた」と述べました。

首相「みずからの発言には、みずから責任を」

安倍総理大臣は参議院本会議で「丸山議員の言動は外交交渉で北方領土問題の解決を目指す政府の方針とは全く異なるもので、元島民の方々の気持ちを深く傷つける遺憾極まりないものだ。丸山氏が議員辞職すべきかについては国会議員である以上、みずからの発言については、みずからが責任を持つべきものであり、政府として答えることは差し控える」と述べました。