日ロ外相
初の平和条約交渉

北方領土問題を含むロシアとの平和条約交渉をめぐって河野外務大臣とラブロフ外相がモスクワで会談し、交渉責任者になってから初めての交渉が行われました。会談の詳しい内容は明らかになっていませんが、これまでの双方の主張を踏まえ具体的な前進への妥協点を探ったものとみられます。

会談はモスクワで日本時間の14日午後5時すぎから昼食も交えて行われ、午後9時ごろ終了しました。

会談の冒頭、河野大臣は「両首脳が合意した、これまでの両国の立場を超えて平和条約交渉の加速化を行うという合意に基づいて交渉責任者であるわれわれが行う最初の協議だ。平和条約について集中的に議論を進めたい」と述べました。

これに対し、ロシアのラブロフ外相は「両国は、経済、投資、そして安全保障協力の分野で大きな潜在力がある。両国の信頼関係を新たなレベルに押し上げ、国際社会で真のパートナーシップを発揮するためにさらなる努力を提案したい」と述べました。

会談の詳しい内容は明らかになっていませんが、両外相は安倍総理大臣とプーチン大統領が「平和条約を締結したあと歯舞群島と色丹島を引き渡す」とした1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速することで合意したことを受けて、これまでの双方の主張を踏まえ具体的な前進への妥協点を探ったものとみられます。

日本側は、今月21日に予定されている日ロ首脳会談で平和条約の条文作成作業の開始を確認したうえで、ことし6月のG20大阪サミットに合わせて再度、首脳会談を行い、平和条約交渉の大枠合意を目指す方針です。

しかし、ロシア側からは日本側をけん制する発言が相次いでいて、交渉は難航も予想されます。