ーン前会長再逮捕「批判
は当たらない」山下法相

日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が10年前のリーマンショックで生じた私的な投資での18億円余りの損失を日産に付け替えるなどしていた疑いがあるとして、東京地検特捜部は日産に損害を与えた特別背任の疑いで再逮捕しました。

山下法務大臣は記者会見で、「検察当局で捜査中の個別の事件なので、捜査や裁判所の個別判断について、所感を述べることは、差し控えたい」と述べました。
そして記者団が、「今回の検察の対応については、国際的な批判もあると思うが、どう考えるか」と質問したのに対し、山下大臣は、「一般論として、容疑者の逮捕や勾留などは、刑事訴訟法の規定に従って司法判断を経ているので、適正に行われているものと承知していて、批判は当たらないと考えている」と述べました。

各国大使館はコメントせず

ゴーン前会長が再逮捕されたことについて、東京にあるフランス大使館は、「コメントを出す予定はない」としています。また、ゴーン前会長が生まれたブラジルと、前会長が国籍を持つレバノンの大使館も、「コメントはない」としています。

元検事「報復的再逮捕と見られかねない」

ゴーン前会長の再逮捕について、元検事の高井康行弁護士は、
「特捜部は、特別背任の疑いについても、司法取引を通じて早い段階から資料の提出を受けて捜査していたと考えられる。
当初の予定では、虚偽記載の罪について年内に起訴し、来月以降に特別背任の疑いで逮捕する予定だったとみられるが、きのう、東京地方裁判所に勾留延長を却下され、急きょ、再逮捕を前倒ししたと思われる。
一連の状況について、海外を含む世論からは検察が裁判所に対して報復的に再逮捕したという見方もされかねない。
裁判所も含めて日本の刑事司法全体が有効に機能しているかが問われる事態だ。
裁判所は特別背任の疑いについてさらに勾留するだけの疑いがあるのかどうか、慎重に判断することが求められる」と指摘しています。