行政文書 総務省“説明行われた可能性あるが正確さ確認できず”

高市経済安全保障担当大臣が「ねつ造だ」としている行政文書をめぐり、総務省は、当時、高市大臣への放送関係の説明が行われた可能性は高いとする一方、文書の内容が正確かどうかは確認できなかったとする、調査結果をまとめました。

総務省が公表した行政文書には、当時の高市総務大臣に、放送法が定める『政治的公平』の解釈をめぐって「レク」と呼ばれる説明が行われたと記載されていますが、高市大臣は「その時期に『政治的公平』の解釈についての説明を受けてはおらず、内容はねつ造だ」と主張しています。

こうした中、総務省は、22日の参議院予算委員会の理事懇談会に、関係者への聞き取り調査の結果を示しました。

この中では、「資料が残っているのであれば、『政治的公平』に関するレクがなかったとは考えにくい」という証言が複数あったとしています。

一方、「放送関係のレクはあったかもしれないが、時期や内容までは覚えていない」という関係者や、「文書の内容のようなレクがあったとは思わない」という関係者もいたということです。

このため総務省は、この時期に、放送関係のレクが行われた可能性は高いものの、「政治的公平」をめぐるものだったかは認識が異なり、内容が正確かどうかは確認できなかったとしています。

野党側の筆頭理事を務める立憲民主党の石橋通宏氏は、記者団に対し「関係者から『レクが行われた』との認識が示されており、高市大臣の言っていることは完全に崩壊した。国会の質疑でただしていく」と述べました。

立民 安住国対委員長「高市大臣の責任問題含め追及」

立憲民主党の安住国会対策委員長は党の会合で、「総務省が、関係者に聞き取りをして、ねつ造を一切していないということであれば、高市大臣の答弁が、ねつ造だったのではないかという話になる。高市大臣の責任問題を含めて追及していきたい」と述べました。

高市大臣“自身に関わる文書は不正確” 辞任を否定

放送法が定める「政治的公平」の解釈に関する総務省の行政文書をめぐり、高市経済安全保障担当大臣は、自身に関わる文書については不正確なものだという認識を重ねて示したうえで、辞任を否定しました。

高市経済安全保障担当大臣が「ねつ造だ」としている行政文書をめぐり、総務省は22日、当時、総務大臣だった高市大臣への放送関係の説明が行われた可能性は高いとする一方、文書の内容が正確かどうかは確認できなかったとする調査結果をまとめました。

これについて高市大臣は22日の参議院予算委員会で、立憲民主党から総務省の調査結果を受けても「ねつ造」という認識なのか問われ、「総務省もこの文書の正確性を確認できなかったということで、やはり不正確な文書であるという私の考え方は変わらない」と述べました。

さらに、立憲民主党が「『ねつ造』という大臣の発言を発端として、SNS上で総務省の職員がひぼう中傷を受けている」として辞任を求めたのに対し、高市大臣は、「ありもしないことをあったかのようにつくることを『ねつ造』と申し上げた。私の表現のしかたをもって辞任ということは少し筋違いな指摘だ」と反論しました。