“家庭の電気料金 約2割抑制へ” 政府の総合経済対策案

物価高や円安などを受け、政府が28日に策定する総合経済対策の案がまとまりました。電気料金の負担を緩和する支援制度では、電力の使用量に応じて家庭に請求される料金を来年1月から1キロワットアワー当たり7円補助し、およそ2割抑制するとしています。

政府が26日、自民・公明両党の会合で、それぞれ示した総合経済対策の案によりますと、電気料金の負担を緩和する支援制度では、電力の使用量に応じて各家庭に請求される料金を、来年1月から1キロワットアワー当たり7円補助し、およそ2割抑制するとしています。

また、企業向けでは、家庭向けの半額となる1キロワットアワー当たり3.5円を補助し、家庭、企業向け、いずれの支援制度も、脱炭素の流れに逆行しないよう、来年9月には負担の緩和の幅を縮小するとしています。

また、都市ガスの料金負担も軽減するため、家庭や企業に対し、1立方メートル当たり30円の支援を行うとしています。

ガソリンなどの燃料価格の上昇を抑えるため、石油元売り各社に支給している補助金については、年末となっている期限を延長し、来年度の前半まで補助額を調整しながら継続する方針です。
一方、子どもに関わる分野では、妊娠から出産、子育てまで一貫した支援を充実させようと、0歳から2歳の子どもがいる世帯などを対象に、育児用品の購入などの負担を軽減するため、合わせて10万円相当の経済的支援を行うとしています。

そして、経済的支援を継続的なものにするため、安定財源の確保を検討していくとしています。

総合経済対策の案は、自民・公明両党、いずれの会合でも大筋で了承され政府は、実行に移すための歳出の規模と合わせて、28日、正式に対策として決定することにしています。

松野官房長官「変化に切れ目なく対応」

松野官房長官は、午後の記者会見で「電気料金負担の激変緩和措置を含め足元の物価高騰など経済情勢の変化に切れ目なく対応し、『新しい資本主義』の加速により日本経済を再生するため、物価高や円安への対応、構造的な賃上げ、成長のための投資と改革を重点分野とした総合的な対策としていきたい」と述べました。

平均的家庭の値引き額は?

政府が検討している電気料金の負担を緩和する支援制度では、来年1月から1キロワットアワー当たり7円を補助するとしています。これを東京電力と契約している平均的な家庭にあてはめて、どのくらい負担軽減につながるか計算してみました。

平均的な家庭の来月分の電気料金は9126円で、電力の使用量は260キロワットアワーと想定されています。

1キロワットアワー当たり7円が補助されると、およそ2割にあたる1820円が値引きされ、電気料金は7306円となります。

政府では、来年度の前半にかけて毎月の請求書に直接反映するような形でこうした負担軽減策を講じたいとしていて、具体的な方法について電力会社と調整することにしています。

一方、ガス料金についても、政府は家庭や企業に対して、1立方メートル当たり30円の支援を行うとしています。

たとえば東京ガスと契約する標準的な家庭の使用量は30立方メートルと想定されているため、900円が値引きされることになり、来月分の料金にあてはめた場合、料金は6461円から5561円に下がることになります。