ウクライナ緊迫化受けて
LNGを欧州に融通へ

ウクライナ情勢が緊迫化し、ヨーロッパで天然ガスの調達が滞るのを避けるため、日本政府は国内に必要なLNG=液化天然ガスを確保したうえで一部をヨーロッパ向けに融通する方針を固めました。
アメリカのバイデン政権の要請を受けた異例の対応です。

ウクライナ情勢は緊張が続いていますが、ヨーロッパは電力などに必要な天然ガスの需要のおよそ4割をロシアからパイプラインを通じて供給を受けています。
しかし、仮にロシアがウクライナに侵攻した場合、アメリカやヨーロッパはロシアに対して経済制裁に踏み切る可能性を示していて、ロシアが対抗措置としてヨーロッパ向けの天然ガスの供給を絞るのではないかという見方も出ています。

関係者によりますとこうした情勢を踏まえ、政府は日本のLNGの一部をヨーロッパ向けに融通する方針を固めました。
ヨーロッパのエネルギー確保のためにアメリカのバイデン政権が要請してきたものに応える、日本としては異例の対応となります。

政府としては国内の電力を安定的に供給するための十分な量は確保したうえでLNGの権益を持つエネルギー企業などに協力を求め、ヨーロッパを支援することにしたものです。
早ければ9日にも正式に表明する見込みで、今後、融通する量や時期などの検討を進めることにしています。