「生活できないほど低い」
最低賃金大幅引き上げを訴え

今年度の最低賃金について厚生労働省の審議会で議論が続けられる中、労働団体が東京都内で集会を開き、働く人が安心して生活できるためには大幅な引き上げが必要だと訴えました。

最低賃金は企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金で都道府県ごとに金額が決められ現在、全国平均は時給902円となっています。

労使の代表などが参加する厚生労働省の審議会で引き上げなどについて話し合いを進めていて、今年度の議論は来週、大詰めを迎える見通しです。

それを前に労働団体の「全労連」が東京都内で集会を開き、小畑雅子議長が「コロナ禍で非正規雇用で働く女性などが生活できないほどの低い賃金であることが浮き彫りとなった」と述べ、最低賃金の大幅な引き上げが必要だと呼びかけました。

続いて東京 霞が関の厚生労働省の前に移動し、参加した労働組合の代表が「全国の保育士などから『自分の収入だけで暮らすことができるようにしてほしい』という声が届いている。献身的な労働で社会が支えられていて、仕事の役割に見合った待遇に改善すべきだ」と訴えました。

参加した60代の女性は「非正規で働く人が多い職場です。去年は最低賃金が上がらなかったので、ことしこそは大幅に引き上げてほしい」と話していました。

最低賃金をめぐっては、中小企業でつくる経済団体などから新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した企業がさらに苦しい状況に追い込まれるとして、大幅な引き上げは見送り今の水準を維持するよう求める声が出ています。