“東條元首相らA級戦犯7人
の遺骨太平洋に”米軍公文書

太平洋戦争後の東京裁判で死刑判決を受けた東條英機 元総理大臣ら7人のA級戦犯の遺骨を、上空から太平洋に散骨したとする米軍の公文書が見つかりました。
これまで明らかでなかった史実を裏付ける史料として注目されます。

これは、日本大学生産工学部の高澤弘明専任講師が戦後、横浜市に司令部を置いた米第8軍が作成し、アメリカの国立公文書館に所蔵されていた文書の中から発見しました。

東條英機 元総理大臣や広田弘毅 元総理大臣ら東京裁判で死刑判決を受けた7人のA級戦犯の遺骨の処理について、1949年1月4日付けの極秘文書に詳細に記されていました。

それによりますと、7人が処刑された1948年12月23日の未明、東京の巣鴨プリズンから遺体が運び出され、横浜市内で火葬されたあと遺骨は一人一人骨つぼに納められたということです。

そして、連絡機と呼ばれる小型の軍用機に載せられ、上空から太平洋に散骨されたということです。

この極秘文書を記したのは、現場責任者だった第8軍所属のルーサー・フライアーソン少佐で、「横浜の東およそ30マイル(=およそ48キロ)の地点の太平洋の上空で自分が広範囲にまいた」とつづっています。

高澤専任講師によりますと、7人のA級戦犯の遺骨の扱いについてはこれまで裏付けとなる明確な記録がなかったということで、「今まで伝聞、推測でしか分かっていなかったことがアメリカの公文書で裏付けられるようになったことは価値が大きいと思う」と話しています。