民党総裁選
党員投票省略で調整へ

安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙をめぐって、岸田政務調査会長や石破元幹事長らが立候補に意欲を示しているほか、党内では、菅官房長官の立候補に期待する声も広がりを見せています。一方、昨夜、二階幹事長と森山国会対策委員長は、来月13日から15日を軸に両院議員総会を開き、党員投票を省略して国会議員と各都道府県連の代表による投票で新しい総裁を選ぶ方向で調整を進めることで一致しました。

安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙をめぐっては、これまでに岸田政務調査会長と石破元幹事長、それに野田聖子・元総務大臣が立候補に意欲を示しています。

このうち、岸田氏は29日、谷垣前総裁のもとを訪れ、総裁選挙をめぐる自らの考えを伝えたほか、夜には派閥の中堅議員らと意見を交わしました。

また、石破氏は、30日、滋賀県内で講演を行う予定で、地元の党員らを前に、地方創生など、みずからが重視する政策を訴えることにしています。

両氏とも、まだ正式に立候補を表明していませんが、30日以降、それぞれの派閥の会合を開き、今後の対応を協議することにしています。

一方、菅官房長官は29日、みずからのブログを更新し、「国民の命と暮らしを守るために全力で職責を全うする」としています。

菅氏をめぐっては、新型コロナウイルスへの対応など政策の継続性を重視し、立候補に期待する声が広がりを見せています。

さらに、河野防衛大臣は、アメリカのグアムで、エスパー国防長官と会談したあとオンラインの記者会見で、総裁選挙への対応について「これからしっかり考えていきたい」と述べました。

こうした中、29日夜、二階幹事長と森山国会対策委員長が会談して、総裁選挙のあり方や日程をめぐって意見を交わしました。

この中では、「政治的な空白を生じさせるべきではない」として、来月13日から15日を軸に両院議員総会を開き、全国の党員などによる党員投票を省略し、国会議員と各都道府県連の代表による投票で新しい総裁を選ぶ方向で調整を進めることで一致しました。

また、安倍総理大臣の出身派閥、細田派の会長を務める細田元幹事長と、竹下派の会長を務める竹下元総務会長は、いずれも記者団に対し、それぞれの派閥で一致した対応がとれるよう調整する考えを示しました。

これまでのところ、各派閥とも具体的な候補者を推す方針は打ち出しておらず、ほかの派閥の動向を探りながら情勢を見極めています。

派閥幹部の間では、「本当の勝負は総裁選挙のやり方が決まってからだ」という見方も出ており、立候補の動きが本格化するのは、総裁選挙のあり方や日程を決める来月1日以降になる見通しです。