田検事総長 来月退任の
意向 後任は林検事長

検察トップの稲田伸夫検事総長が、来月で退任する意向であることが関係者への取材でわかりました。後任には東京高等検察庁の林眞琴検事長が就任する見通しで、賭けマージャン問題などで揺らいだ検察の信頼回復や組織の立て直しが喫緊の課題となります。

関係者によりますと、検察トップの稲田伸夫検事総長は来月で退任する意向で、後任には東京高等検察庁の林眞琴検事長が就任する見通しです。

検察人事をめぐってはことし1月、政府が法解釈を変更して東京高検の黒川弘務前検事長の定年を延長し、検察関係者の間では「官邸に近い黒川氏を検事総長にするための措置ではないか」という見方が広がりました。

その後、内閣の判断で個別の検察幹部の定年延長を可能にする特例規定が検察庁法の改正案に追加され、検察OBなどから「検察の人事に政治権力が介入することを正当化するものだ」と反対意見が出たほか、ツイッター上でも抗議の投稿が相次ぎました。

検察庁法改正案は先の国会で廃案になりましたが、黒川前検事長が緊急事態宣言のさなかに賭けマージャンをしていた問題で辞職し、稲田検事総長には検察トップとして一連の混乱を招いた責任を指摘する声も出ていました。

林氏は愛知県出身の62歳で、法務省の刑事局長や名古屋高検検事長などを歴任し、黒川氏の辞任を受けて先月から後任の東京高検検事長を務めています。

検察庁は組織の立て直しと国民からの信頼回復が喫緊の課題となっていて、新しいトップとなる林氏の手腕が問われることになります。

菅官房長官「個別人事は答え控える」

菅官房長官は、記者会見で、稲田伸夫検事総長が来月で退任する意向で、後任に、東京高等検察庁の林眞琴検事長が就任する見通しとなっていることについて、「個別の人事に関することは、お答えを差し控えたい」と述べました。