性の別の看護師にも勤務
指示 大阪 生野区の病院

新型コロナウイルスに感染した看護師を勤務させていた大阪・生野区の病院が、要員が足りないとして、検査で陽性だった別の女性看護師も呼び出して勤務させていたことが、大阪市の調査で新たにわかりました。

医療従事者や患者などおよそ130人の集団感染が確認されている、大阪・生野区の「なみはやリハビリテーション病院」では今月20日に新型コロナウイルスへの感染が確認された女性看護師に指示してその日に夜勤をさせていたことが大阪市の調査でわかっています。

その後の調べで、この病院が、検査で陽性だった別の女性看護師についても、要員が足りないとして勤務をさせていたことが新たにわかりました。大阪市によりますと別の女性看護師は今月20日に感染が確認されましたが、休みとなっていた21日の夕方から22日の朝にかけて夜勤につくよう呼び出されたということです。病院内では、感染した患者と感染していない患者とで病棟を分けていて、この女性看護師は夜勤の際に感染した患者の病棟を担当したということです。

大阪市は、感染した人を医療に関する業務にあてることは法律に違反する行為だとして、事務スタッフなどの勤務状況も調査して同じような問題が起きてないか確認するとともに、再発防止に向けた指導を続けるとしています。

同僚が語った「深刻なスタッフ不足」

この問題で大阪市が調査に乗り出したのは、同僚の女性看護師のツイッターがきっかけでした。

病院から、「検査で陽性が判明し、発熱などの症状があるスタッフと勤務してほしい」と言われたことなどを投稿したのです。

この指示について、同僚の女性は、NHKの電話取材に対し「にわかには信じられず聞いた瞬間、絶句しました。検査で陽性だった人を働かせるなんてありえない」と話しました。

また、上司からは、検査で陽性の患者は陽性のスタッフが担当し、陰性の患者は陰性のスタッフが担当すると説明があったいうことですが、女性は「夜勤中はスタッフが少なく、担当を厳密に分けることは難しい。同じナースステーションを使わざるをえないこともあり、感染がさらに広がるおそれがあった」と対応を批判しました。女性は、保健所などに相談し、出勤はしませんでした。

一方、女性は、医療現場の現状について「感染者が出たあとは、自宅待機となる職員も多くいて、ぎりぎりの人数でなんとか回している状況だった。連日、夜勤となった人や、24時間近く連続で働く人もいた」と話し、今回の問題の背景には深刻なスタッフ不足があると訴えました。

また、「規模の小さい一般病院には、防護服などの医療物資もあまり回ってこない」として、「今回のようなことを繰り返さないよう、感染者が出た場合の医療機関の対応についてしっかりとした指針を定め、支援の在り方を決めておくことが重要ではないか」と話しました。