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清水がおじゃまします!関川村「雪ほたる」

  • 2024年02月22日

コーナー「清水がおじゃまします!」。 
地域密着リポーターの清水まどかが、県内のみなさんのもとに直接おじゃまして 
地域で地道に頑張る人や魅力的な取り組みなどをお伝えします。

放送した動画はこちら

2月、関川村で「七ヶ谷 雪ほたる」が行われました。
雪の灯ろうが並んだ幻想的な光景を楽しむことができます。
会場は、廃校になった小学校の跡地。毎年開催される恒例のイベントですが、
全国から学生ボランティアが集まり、村の人たちとともに祭りを盛り上げています。
学生と村民の、関川村ならではの深い関わりを、取材しました!

地域を元気に!雪ほたる

会場の安角ふれあい自然の家(旧・安角小学校)です。
膝まで埋まるくらいの雪深さ…。これでもことしは雪が少ないそうで、びっくり!
校庭が生まれ変わるということで、早速、準備の現場におじゃましました。

イベントの準備を進めていたのは、地域で町おこしに取り組む有志の人たちです。

代表の加藤克徳さん、62歳。笑顔あふれる地域をつくるのが目標です。

タランペクラブ代表 加藤克徳さん
「この季節になると、こもりがちになる。雪で閉ざされて。そういう人たちを元気にして、
 地域を元気にしようと。引っ張り出そうという思いで」

イベント前日。会場に続々と若い人たちが集まってきました。
国際ボランティア学生協会・IVUSA(イビューサ)のみなさんです。

メンバーは2500人以上。全国各地でボランティア活動を行っています。

会場の準備が始まりました。
雪の灯ろうや雪像を一から作るのは一苦労。
そんな中、助けになるのは、若い学生の力です。

長年の交流が助け合いに

実は、学生ボランティアと関川村は、20年にもわたり関係を築いてきました。
関川村 七ヶ谷地区は、村の中でも特に積雪が多い場所です。
住民の半数が高齢者。少子高齢化が長年の課題になっています。

そんな中、関川村出身の学生が仲間を引き連れ、地元の祭りを盛り上げたことがきっかけで、
その後、学生ボランティアが毎年のように関川村を訪れるようになりました。

11年前からは「七ヶ谷 雪ほたる」にも参加するようになり、毎年50人ほどの学生が集まります。

一度、関川村を訪れた学生の中には、何度もこの場所にやってくる人が多いそう。
ことし関川村プロジェクトのリーダーを務める馬場千瑳さんも、今回が5回目の訪問です。

国際ボランティア学生協会・関川村プロジェクトのリーダーの馬場千瑳さん
「会った時も『おかえり』、送り出されるときも『また元気に帰ってきてね』みたいな感じで。
 20年前を振り返ってもこれまでのOB・OGが関係性を築いてくれたおかげで、
 初対面(の学生)でも心の距離が近いという関係性が築けているんじゃないかなと思います」

さらに、長年の交流がいざというときの助けにも。2022年8月に関川村を襲った記録的な大雨。
学生ボランティアは、発災3日後に駆けつけていました。

国際ボランティア学生協会・関川村プロジェクトのリーダーの馬場千瑳さん
「(被害が)起きてすぐ学生が向かうことができた。それは事前に学生が築いてきた関係があったからこそ『すぐ行きますよ』と言って、関川村は私たちを信用してくれて、『来てもいいですよ』と受け入れてくれた」

ことしの元日におきた能登半島地震。
このときも馬場さんは、代表の加藤さんのもとにもすぐ連絡をしました。

タランペクラブ代表 加藤克徳さん
「ここに来て一緒にこの地区の人と作業することによって、心がつながったんじゃないか
 なと思います。何年も繰り返すことによって、なお深くなって、遠くに離れても、
 こっちのことを心配してくれている。ありがたいなと思いました。親戚みたいな感じ」

心のつながり これからも

雪ほたるの開幕には、学生たちが準備した花火が。
会場にはおよそ1000個の雪の灯ろうが浮かび上がりました。

学生と地域の人たちが力をあわせて、8時間かけて作り上げた雪像。
ことしはジブリがモチーフです。

ことし初めて参加した大学一年生に聞いてみると…。

初参加の学生
「村民と一緒に作ることで交流ができたのが楽しかったし、多くの人がこれから来てくれることであったり、水害など(からの)町の復興に繋がったらいいなと考えています」


取材中、代表の加藤さんの「必ず春は来る」ということばが印象的でした。
いま地域に住む若者が少なくても、こういった交流によって地域のファンが増え、
イベント以外でも何度も訪れるようになれば、この地域が明るく元気になっていくなと感じました。

そして、私たちが取材をしているときも、地元の人が焼き芋をくれたり長靴を貸してくださったり。
見知らぬ人でも温かく迎え入れてくれるからこそ、「ここにもう一度来たい」という気持ちになるのだなと思いました。

そしてイベント当日、校舎の中を覗くと…熱いビートが!

♪「夏はあっちぇーし 冬がさんびいけど 人の心いつもあったかい」♪

地元に住む20代の男性が、頑張っている学生たちの姿を見て刺激をうけ
関川村への愛を込めた自作の歌を披露していました。
学生ボランティアとの交流が、村に住む若者の起爆剤にもなっていると感じました。

おじゃまさせていただいた関川村のみなさん、国際ボランティア学生協会のみなさん
ありがとうございました!

ディレクター(牧陽子)のひとりごと
「おかえり」「ただいま」爽やかな声が体育館に響き渡る。
はじめて来たのになぜか懐かしいー関川村はそんな村だ。

「村の人と若い人の心の交流を描きたい」―と意気込んでいたが・・・
なかなか思うようにいかず、2人で何度も話合い、悩みながらのロケ。
そんな中、「焼き芋焼けたよー」「手作りケーキ食べなよ」「こんにゃくあるよー」
寒い中、震えていたが、温かな言葉にじんわり心が溶けていくー
村の人たちの優しさに、心から感謝している。

今の若いもん(学生たち)は、本当に・・・すごい!
村の人たちの話を、うんうんとうなずきながら笑顔で聴き、自分達ができることを提案。
力仕事も、率先して引き受けて、てきぱきこなす。
若い清水も、本当にすごい!
校舎の2階から花火を撮影したいとカメラでねらっていたが、
美しく撮影できるか不安に感じていると・・・
「いってきます!」と、点火の数分前に猛ダッシュ!
夜空に咲く花火を、想像をはるかに超えてきれいに撮影して戻ってきた。

桜は、冬の寒さが厳しいほど美しい花を咲かせると京都の桜守から教えて頂いた。
「どんなことがあっても必ず春はくる🌸」
加藤代表の一言が、私たちを最後まで元気づけてくれた。

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