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新潟 スルメイカが記録的不漁 影響広がる

漁獲量は去年の1割以下 価格も高騰 塩辛は?一夜干しは?
  • 2023年08月22日

新潟県内では例年6月にピークを迎えるスルメイカの漁獲量が去年の1割以下に落ち込み記録的な不漁となっています。何が起きているのか、現場を取材しました。
(新潟放送局 記者 大山文兄、豊田光司)※記事や動画の内容は2023年8月18日時点のものです

放送した動画はこちら 

記録的な不漁 例年の倍以上の高値に

8月18日、佐渡市の両津漁港で取り引きされていたのは4日ぶりに水揚げされたスルメイカです。

この日水揚げされたのは合わせて9箱、重さにしておよそ45キロ。

取り引き価格は、1箱9000円から1万4000円と例年の倍以上の高値がついたということです。
この高値の背景にあるのがスルメイカの記録的な不漁です。

新潟県内のスルメイカの水揚げは例年6月にピークを迎えますが、ことし6月に両津漁港や岩船漁港など県内の主要な10の漁港で水揚げされたスルメイカはあわせて48点6トン。

去年6月に水揚げされた679点9トンのおよそ7%にとどまり、現在の方法で集計が始まった2006年以降で最も少なく記録的な不漁になっています。

イカの不漁 佐渡でも影響広がる

佐渡市でも影響が広がっていて両津地区ではことし6月のイカの水揚げ量は3トン。
去年6月の96トンの3パーセントにまで落ち込みました。

原油価格の高騰で船の燃料代がかさむことから、漁を控える漁業者もいるということです。

直売所を手伝う今井イサ子さん

不漁を背景に姫津漁港にある海産物の直売所では16日にイカの塩辛が売り切れたほか、
一夜干しも残りわずかとなっていました。

佐渡に帰省した女性
ことしはどこに行っても(イカを)出してもらえなくてちょっと悲しい。
東京でもなかなかおいしいイカは食べられないので、夏休みに来たときは食べたいです。

今井さん
30入りの箱が5000円なのが次の日には1万円になるって値段のつけようがないぐらいで、怖くて買えない。(加工品が)作れない。

マグロや水温が関係?

影響が広がる記録的な不漁。
多くの組合員がスルメイカ漁を行っている市内の姫津漁業協同組合では不漁の原因について▼イカをエサとするマグロの漁が規制され多くのマグロが回遊していることから、スルメイカが深い海に移動したことや▼水温が高いことなどが考えられるということです。

姫津漁業協同組合 水野信明組合長
ことしは過去に例がないぐらい水揚げはあがらない。
壊滅的な状況だと思う、イカ漁に関しては。

日本海側は漁獲量が減少傾向に

新潟県水産海洋研究所によりますと、新潟県内だけでなく日本海側でのスルメイカの漁獲量が減少傾向にあるということです。

県水産海洋研究所は今後、他県も含めた日本海側でのスルメイカ漁の状況を注視し、漁業関係者に情報を提供することにしています。

  • 大山文兄

    NHK新潟・佐渡支局記者

    大山文兄

    トキの野生復帰を東京の新聞社で11年間取材。トキに魅せられ2020年に退社し佐渡島に移住。2022年4月からNHK新潟・佐渡支局の記者として佐渡の魅力を発信。

  • 豊田光司

    新潟放送局 記者

    豊田光司

    2017年入局。大阪局を経て2020年から新潟局に。イカが好きな私にとっても気がかりな状況です。来年はたくさん捕れてほしいと思います。

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