群馬サラメシ② 富岡市こんにゃく入りゼリー開発現場の昼ごはん
- 2023年12月19日
12月22日(金)「ぐんまスペシャル サラメシ 群馬特別編」の放送に合わせて、群馬で働く人たちのランチをさらに取材してお伝えしています。2回目の今回は、群馬特産の「こんにゃく」が入ったゼリーを開発・製造・販売している富岡市の企業のお昼ご飯です。
(前橋放送局 経営管理企画センター 職員 谷本拓也/2023年12月取材)
高橋さんと榎本さんに昼が来た!
訪ねたのは、群馬の特産品「こんにゃく」を果汁で味付けし、大人も子供も楽しめるゼリー商品を販売している会社。およそ30年間にわたって、定番のフルーツ味や変わり種のコーヒー味、プリン味など、こんにゃくを原料にさまざまな商品を作ってきました。今回密着したのは、商品開発を担当する高橋祥枝さんと榎本茂朗さん。お邪魔したのはちょうどお昼どき!早速、会社の社員食堂をのぞいてみると…ちょうど、みなさんお昼を食べようとそれぞれのお弁当を開いていました。この会社では、近くにあまりお店がないことから、多くの社員が自分でお弁当をもってくるか、弁当屋さんに弁当を注文して、この食堂で食べているとのこと。
その食堂は窓が大きくカフェのような雰囲気です。多くの社員が食堂でお昼を過ごしますが、こんなオシャレな食堂なので、午後の仕事に向けてリフレッシュできますね!また、部署で固まるのではなく、毎日座る席を変えながらさまざまな部署どうしで一緒にご飯を食べることも多く、リラックスする時間になっています。
また、社員はこの冷蔵庫にある自社の商品を自由に飲めるそうです。すでに販売している商品だけでなく、現在試作している商品も飲めるといいます。
高橋さんのお弁当は“ヘルシーランチ”
そんな食堂で食べる2人のお昼をのぞかせてもらいました。
まずは、高橋さん。高橋さんのお昼はいつも手作りのお弁当。きょうのお弁当のイチオシはニンジンのきんぴらです。油でいためて作るこのニンジンのきんぴらが高橋さんの大好物で、食べると甘味が口に広がります。ニンジンのきんぴらは、高橋さんのお弁当でも定番のおかずとなっています。
この日のお弁当には、このほかにも、れんこんのカレー炒め、セロリ、そして豆腐ハンバーグ。お米は雑穀米です。非常にヘルシーなメニューですが…
「午前中は商品開発の試食で甘い物を多く食べるため、お昼は健康に気を遣い、野菜メインのお弁当にしたい」
前日の夜にさまざまな野菜を調理して、お弁当を用意しておくのが高橋さんのルーティーンとのこと。取材中、同じ部署の女性社員のみなさんが高橋さんのお弁当を見て「おいしそう!」と声をあげていました。ふだんの仕事場から離れ、このオシャレな食堂でお昼を過ごすことで気分転換になると語る高橋さん。この時間のおかげで午後も頑張ります!
趣味は筋トレの榎本さん ランチもストイックです
次にランチを見せていただいたのは榎本さんです。
そのランチはなんと、白米と鶏肉、そして卵だけ!筋トレが趣味の榎本さん、お昼ではなるべくたんぱく質と糖質をとりたいという気持ちから、毎日このメニューのお弁当を食べているそうです。最初は鶏肉を何も味付けせずに食べていましたが、高橋さんからアドバイスをもらい、ポン酢で味付けをするようになったとか。
このご飯で日々の仕事と並行しながらなんと週5日ジムに通っています。筋トレも、高橋さんと一緒にアプリを使って取り組んでいて、仕事と同じく励まし合いながらしているそう!このお弁当を食べる時間は、榎本さんにとって仕事の区切りになっています。
「ごはんを食べるとやはり元気になりますし、午前と午後の仕事のいい区切りになるので、この時間のおかげで、午後も頑張ろうと思えます」
新商品を企画!高橋さんと榎本さんの仕事に密着
そんな高橋さんと榎本さん。大人も子供も楽しめる商品を作るべく、日々商品開発を行っています。そんな2人の仕事は、毎朝9時から試食をしながらの打ち合わせから始まります。その打ち合わせにも密着しました!
打ち合わせでは1時間程度、商品開発を担当する11人のメンバーが担当する商品の進捗(しんちょく)などを試食を通して確認し合います。商品によって変わりますが、発売までには1年程度かかるそうです。ふだんは和気あいあいとした職場ですが、食べることが好きな人が集まる部署ということもあり、打ち合わせでは遠慮なく意見をぶつけ合うといいます。
高橋さんが担当した商品の1つがコーヒー味。秋・冬の限定で現在販売しています。
この会社の定番は「フルーツ味」なのに、コーヒー!?と驚きを隠せずにいた私。
フルーツ味以外に魅力的な商品は作れないか?と考え抜いてたどり着いたのが「多くの人が飲むコーヒー」だったそうです。今は春と夏の販売にもつなげようと開発を進めているのですが、このままの味では「春と夏には重すぎる」ということで、あっさりした味になるように絶賛改良中です。
このコーヒー味のこんにゃく入りゼリーの開発は、榎本さんとタッグを組んで行っています。榎本さんは原料の豆から調整して、アイスコーヒーをイメージしながらも、しっかりとした味が出るように、調整しながら開発をしています。開発の状況を榎本さんに伺ったところ、当初は秋と冬に販売しているものをベースにしようとしましたが、その配合が繊細であることから「変更を加えた際、味が大きく変わってしまったため、1から作ることにしました」と話してくれました。
榎本茂朗さん
「従来販売している味が好きな人でも、楽しんでいただけるようにしています」
こう自信をもって話す姿が印象的でした。
簡単にはいかない「商品開発」の仕事への思い
楽しげに商品開発について語る2人。一方で、悩みが尽きない毎日でもあります。
自分が思った味になるように、原材料を組み合わせて商品を作り上げますが、どの原料を入れれば、求める味に近づくのか。日々試行錯誤しながら開発しているそうです。
高橋祥枝さん
「(商品開発が)スムーズにいくことはほどんどないですが、それは理想の味を追い求めているからこそです」
自分が理想とする味を作り出すために。高橋さんと榎本さんはきょうも開発を続けます。