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明和町 梨人たちが産地再生のために手がけるブランド戦略とは

  • 2022年09月08日

「ほっとぐんま630」でお伝えしている「菅原が行く、中谷が行く」。今回、菅原が取材したのは今が旬の梨です。県内有数の産地である明和町では、高齢化などによる生産農家の減少が課題となっています。そうした中、町を再び梨作りで盛り上げたいと奮闘する生産者たちの取り組みを取材しました。

(前橋放送局キャスター菅原成美/2022年9月取材)

運命の出会い!?

やって来たのは、去年8月に明和町にオープンした直売所「なしの駅」!
4軒の生産農家で作る農事組合法人「梨人(なしんちゅ)」が明和産の梨の販売やPRの拠点にしようと、町の支援などを受けて建設しました。

さっそく梨を購入しようとしたら、まさかの出会いが…!

店員

「きょうは3種類でご準備させて頂いていて『幸水』と『なるみ』と、あと『豊水』ですね」

菅原キャスター

「なるみ!?私、名前が成美(なるみ)なんです」

「すごく甘みが強くてみずみずしい梨です」

「なるみ」ゲットしました!!

店内には梨だけに、お客さんがひっきり“なし”にやってきます。

午前中で完売となる日も珍しくないといいます。

梨を買った客

「結構お客さんが多いので買えない時も多いんですけど、きょうは開店時間を見て、あ~もうそろそろだと思って慌てて買いに来ました」

梨を買った客

「甘さが全然違います」

梨を買った客

「スマホで見てちょっと調べて、昨日。孫に食べさせたい」

全収量のわずか3%  最高品質で勝負!

贈答品も人気です。2年前に発売したこちらの新ブランドは、形や大きさ、それに糖度など厳しい基準をクリアした梨のみ! 全収量のおよそ3%しか認定されないという最高級品です。
インターネット限定の販売で、価格は通常の贈答品の2.5倍ほどしますが、売れ行きは好調だといいます。

これらの取り組みをけん引しているのが、農事組合法人「梨人(なしんちゅ)」の代表理事、東秀人さんです。

菅原キャスター

「おいしさの秘密って何かあるんですか?」

東秀人さん

「明和の土地、土っていうのが梨栽培にとても適していまして、実際にお客様側からも甘くてジューシーだとよく言われます」

“明和の梨”  産地として再生を

利根川が運んだ肥沃な土壌に恵まれた明和町では明治時代から梨作りが行われてきました。しかし、近年は農家の高齢化や後継者不足が加速し、生産農家は最盛期の3分の1ほどに減るなど産地としての存続が課題となっています。

就農当時の東さん

梨の担い手を確保する町の新規就農者支援プロジェクトに応募して11年前に就農した東さんは、地域の生産者に呼びかけ、2013年に梨人の前身となるサークルを設立。明和の梨を全国にPRすべく、勉強会などを通じて品質のさらなる向上に努めてきました。
 

「梨の木って1列ずつ真っ直ぐに植えられているんですね」

「これジョイント栽培方法といいまして、お隣さん同士木をくっつけて、列ごとで1本の木にしてしまうんです」

1列にすることで直線的に動けるようになるので、作業が2、3割ほど効率化されるといわれています。

現在も毎年新たな技術を導入するなど、進化を続ける梨、そのお味は…。

「このシャキシャキ感。甘いです。甘いんですけど、すごくみずみずしくてすっきりしていて、暑さにうれしいおいしさです!」

東 秀人さん
「もっといい梨作って、もっといい値段で売ってもうかる仕組みを作って、ここの産地を明和町の梨をブランド化したい。梨でこの町を活性化させたいなという思いが強いですね」

「なしの駅」の今シーズンの営業は、10月末までの予定だということです。

  • 菅原成美

    前橋放送局キャスター

    菅原成美

    2019年からキャスター。夕方のニュース番組「ほっとぐんま630」の担当3年目に突入。群馬の「気になる!」を体当たりで取材中

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