【患者体験談】首下がり症候群を発症 治療やリハビリについて

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肩・首がこる首・肩背中

首下がり症候群になったとき -私のチョイス-

つらい首下がり

Aさん(81歳・女性)は、2年ほど前から首がどうしても上がらなくなりました。最初は肩こりのような症状でしたが、次第に頭が重く感じられるようになり、自然とうつむくようになってしまいました。無理に上げようとすると、首から背中にかけて痛みが走るのです。

朝は調子がよくても、夕方になると次第に症状が表れてきます。いったん症状が出ると、前を向いて歩けないばかりか、夕食後の食器を洗うことすらままなりません。そのため家事は、起きてすぐの調子が良いときにすませるようにしました。夕方以降はタオルを首に巻き、その結び目をあごに挟むことで少しでも前を向けるように工夫をして、なんとか過ごしていました。

しかし、症状が改善することはなく、2年の月日が流れてしまいました。「このままで一生過ごすことになるかもしれない」と不安に思ったAさんは、専門医の診察を受けました。その結果、「首下がり症候群」と診断されたのです。

「首下がり症候群」とは?

実は人の体は、まっすぐ前を向いているだけでも、重い頭を後ろから筋肉で引っ張って姿勢を保つ必要があります。使われる筋肉は、主に頭板状筋(とうばんじょうきん)、頭半棘筋(とうはんきょくきん)、僧帽筋(そうぼうきん)などです。
ところが、老化や病気(うつ病・パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症など)によって、筋力が落ちたり、筋肉が過剰に緊張したりすると、筋肉の機能が衰えて頭を支えることができなくなり、首が上げづらくなることがあります。こうした状態を「首下がり症候群」というのです。

リハビリで回復!

検査の結果、Aさんの「首下がり症候群」の原因は、病気ではなく老化による筋肉の機能低下だと判明しました。そこでAさんは、入院して、理学療法士の指導のもと、リハビリを行いました。リハビリの目的は「首の筋肉を鍛えること」「緊張している筋肉をほぐすこと」です。Aさんは、入院中毎日30分ほどリハビリを続けました。すると2週間後には、首がもとどおりに上がるようになったのです。

首が上がるようになったAさんは、退院後もリハビリで教わった首を鍛える運動を家で毎日続けています。体全体が楽になり健康への意識も芽生えて、週に一度は運動に通うまでになりました。

この記事は以下の番組から作成しています

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