【患者体験談】胃の手術が原因で起こる「鉄欠乏性貧血」

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鉄欠乏性貧血になったとき -私のチョイス-

家事をするだけですぐ疲れてしまう

Aさん(62歳・女性)が症状に気づいたのは、4年前でした。

「日常の家事や洗濯をするときに、ちょっと疲れちゃったなぁって思って」
Aさんは家事をするだけでもすぐに疲れてしまい、横になることが多くなりました。友人の勧めで最寄りの病院に行ったところ、診断は鉄不足による貧血、鉄欠乏性貧血でした。

鉄欠乏性貧血とは?

鉄欠乏性貧血は、なぜ起きるのでしょうか?

私たちの体全体に酸素を運ぶのは赤血球に含まれるヘモグロビンです。ヘモグロビンは鉄を材料として作られます。そのため鉄が不足すると、作られるヘモグロビンの数が減り、酸素を運ぶ機能が低下してしまいます。すると疲れやすい、息切れ、めまいなどの症状が現れます。これが鉄欠乏性貧血です。

ではAさんの場合、なぜ鉄が不足してしまったのでしょうか。原因は意外なところにありました。それは、胃がんの手術です。Aさんはがんのため、胃を全て摘出していたのです。

胃の切除でなぜ貧血に?

食べものに含まれる鉄分は、胃から分泌される胃酸によって吸収しやすい形に変えられます。しかし、胃を摘出してしまうと、胃酸が分泌されないため、鉄が吸収されにくくなり、鉄不足になってしまうのです。
さらに胃酸が分泌されないと、赤血球を作る材料の一つ、ビタミンB12も吸収しにくくなってしまいます。そのためAさんは貧血になってしまったのです。

胃切除による鉄欠乏性貧血の治療

Aさんは、不足している鉄とビタミンB12の補充療法を受けました。鉄剤をのみ、ビタミンB12の注射を定期的に受けることで、貧血は解消されました。
「体調は大分良くなりましたね。ちょっと自分に変化があったらすぐ病院に行ったほうがいいかもしれませんね。病院って、痛くならないと行かないから。」

この記事は以下の番組から作成しています

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