五十肩はほとんどの場合、1~2年で自然に治りますので、日常生活の支障が軽い場合は必ずしも受診する必要はありません。ただし、強い痛みがある場合や、痛みや動きの制限によって仕事など生活に支障がある場合は、整形外科を受診することがすすめられます。
五十肩の治療は、急性期とそれ以外の時期で目的が異なります。
【徹底解説】五十肩の治療(薬・注射)・症状・時期に合わせた薬物療法
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急性期の治療(のみ薬、貼り薬、ステロイド薬注射など)

発症~2週間程度の急性期は、主に痛みを和らげる治療を行います。非ステロイド消炎鎮痛薬ののみ薬や貼り薬などを使い、痛みが強い場合は、患部にステロイド薬を注射します。また、痛みによる筋肉の過度な緊張をほぐすため、温熱療法などを行う場合もあります。
慢性期と回復期の治療

五十肩の慢性期や回復期は、主に肩の動きを回復させる治療を行います。
関節包や滑液包の中にヒアルロン酸を注射する方法や、関節包にステロイド薬と局所麻酔薬を注射で注入して縮まった関節包をふくらませたり、部分的に破裂させたりする関節くう拡張術を行うことがあります。それでも改善しない場合は、超音波で肩の画像を見ながら患部の神経を麻酔薬でまひさせて、医師が外側から肩を動かすことで硬くなった関節包を裂く、エコーガイド神経ブロック下徒手授動術を行うことがあります。
これらの治療を行っても治りが不十分な場合は、鏡視下関節包切離術が検討されます。この手術では患部に関節鏡を挿入し、画像を見ながら関節包を切開します。こうしたさまざまな治療法は、その長所や短所について医師から十分な説明を聞いた上で選択することが重要です。
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