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「地域の再生」のてがかりに ~NHK地域づくりアーカイブス その4 "当事者"目線の支援

2015年12月08日(火)

日本各地の優れた地域づくりの取り組みを紹介するホームページ「NHK地域づくりアーカイブス」。そのおすすめ動画を紹介する4回目の最終回は、こちらの2つ。2010年の『福祉ネットワーク』で放送した「シリーズ 地域からの提言」から就労支援についての取り組みです。


20151208_001.jpgボランティア就労で生活保護からの自立を支援
2010年に放送された『福祉ネットワーク』シリーズ地域からの提言3「地域で支える“生活保護”」では、北海道釧路市が行った生活保護者への独自の支援策を紹介しています。炭鉱が閉鎖されてから生活保護受給者が増えた釧路市では、受給者の自尊意識の回復に重点を置いた自立支援プログラムを実施。多くの受給者を就労へと結びつけることに成功しました。


この釧路市が行った取り組みで注目すべきポイントは、受給者の立場に立ってプログラムを考えたことです。本人がつまずいてしまうことのないように、“当事者の視点に立った支援”をおこない、その人が置かれている立場や気持ちを思いやることを忘れない。支援の原点にあるべき、とても大切なことに気付かせてくれる事例ですね。

 

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職業体験の場づくりで元ひきこもりの若者を支援
こちらも先ほど紹介した『福祉ネットワーク』《シリーズ地域からの提言》の4回目で放送した「若者と社会を結ぶ」で、ひきこもりやニートの若者たちの就労を支援する団体「K2」の事例を紹介しています。「K2」では、若者の職業体験の場づくりを進め、自分のペースにあった職業体験を支援しています。さらに地域の飲食店や農家の協力を得て格安の食事を出す「にこまる食堂」を通して、若者支援の輪を地域に広げています。

「K2」が運営する「にこまる食堂」は、社会に自然と馴染む就労支援の場となりました。多くの人は、「福祉」や「ボランティア」、「何かを支援する」などとは無縁のなかで生活をしています。それゆえに、そういったことに無関心になるのも仕方のないことかもしれません。ただ、昼食を「にこまる食堂」で食べるだけなら、身構えることなく就労支援することができますね。みなさんの地域にも「にこまる食堂」のような若者支援の場や障害者施設が提供するパン屋さんなどがあるかもしれません。ぜひ調べて、訪れてみてはいかがでしょうか。


このブログで、4回にわたって「NHK地域づくりアーカイブス」で見ることのできる8本の動画を紹介してきました。認知症、バリアフリーやコミュニティカフェ、NPOバンクといった様々な取り組みがありましたが、どれも共通して言えることは、「知る」ことだったと思います。「知らない」ために先行してしまいがちな良くないイメージが弊害となることが多かったように感じました。これまでに紹介してきた8つの事例では、「知らない」人々に正しい情報を「知ってもらう」だけで、問題解決の糸口がみつかることがたくさんありました。その人の立場に立って、考えること。そして「知る」こと。ただそれだけで、困っている人をみかけると自然と手を差し伸べることができるようになるのではないでしょうか。

NHK地域づくりアーカイブス」では、ここで紹介した動画の他にも、地域づくりを成し遂げてきたいくつもの例が紹介されています。あなたの地域に“困りごと”があれば、ぜひこのサイトを覗いてみてください。知恵を働かせ力を合わせて課題に向き合った事例が、あなたのまちの“困りごと”を解決する道へと導いてくれるかも知れません。


 


▼関連ブログ
 《ハートなブログ》
 「地域の再生」のてがかりに ~NHK地域づくりアーカイブス その1 認知症編
 「地域の再生」のてがかりに ~NHK地域づくりアーカイブス その2 バリアフリー編
 「地域の再生」のてがかりに ~NHK地域づくりアーカイブス その3 人と人とのつながり

▼関連サイト
 NHK地域づくりアーカイブス

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