今月6日、5人が死亡した殺人事件の犯人とされ、有罪が確定していた死刑囚の裁判が、やり直される可能性が出てきた。49年前に三重県名張市の山あいの集落の懇親会で、何者かがぶどう酒に農薬を入れ、それを飲んだ女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」。住民の一人で当時35歳だった奥西勝元被告が逮捕されたが、犯行の目撃者がなく物証も乏しいなか、裁判所の判断は無罪、死刑、再審開始、再審取消と二転三転してきた。なぜ死刑と無罪で裁判官たちの判断が大きく揺れ動いてきたのか。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則は守られてきたのか。一般の市民が裁判員として死刑か否かの判断を迫られようとしている今、迅速かつ適切に判断をくだすために何が必要なのかを探る。
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