先月下旬、芥川賞の選考委員などを務めた作家の大庭みな子さんが亡くなった。それまでの11年間半身不随の生活を支えてきたのは、夫の利雄さんの献身だった。エリート技術者だった利雄さん、妻が倒れるやすっぱりと自分の夢を諦め妻の介護に専念してきた。慣れない男の介護、七転八倒の介護と夫婦の葛藤、その軌跡が利雄さんの介護日記に克明に残されている。日誌の結論は「介護はセカンドハネムーン(第二の蜜月)」と書かれていた。妻の病が本当に互いを理解させ、向き合うきっかけを作ったという。団塊世代が大量にリタイヤする今、夫婦の老後の生き方を、介護日記の中から、読み解いていく。
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