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介護(63件)の放送記録

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2023年11月13日(月)

仕事と介護に挟まれて ビジネスケアラー318万人時代の現実

働きながら家族の介護を担うビジネスケアラー。国は、2030年に318万人に上り、労働生産性の低下や離職による経済損失は9兆円を上回るという推計を発表しました。今後、介護の主な担い手となるのは働き盛りの40代・50代。仕事と介護を両立しようとしたとき、どんな課題に直面するのか。当事者の取材で見えた「制度の限界」とは。企業で始まった新たな対策も交え、ビジネスケアラーを支え ...

2023年5月16日(火)

“密室”で横行するハラスメント 訪問在宅ケアからのSOS

全裸の利用者から「体を拭いて」▼断ると足元に包丁が▼玄関に鍵かけられ監禁▼全国の訪問在宅ケアの現場からハラスメントのSOSが続々と▼東京都が緊急調査。看護師やヘルパーなどの48%が言葉の暴力、23%が身体的な暴力を経験▼心身を壊したり離職する人も。将来の在宅ケアは大丈夫か▼“加害者”にも事情が?ハラスメントに至る深刻な背景▼キーワードは“密室”▼利用者と支援者が“本音 ...

2022年2月1日(火)

最新技術で老後は安心!? “デジタル介護”最前線

AI搭載のロボットが夜の介護施設を巡回し、高齢者の睡眠の深さやトイレのタイミングをセンサーが自動で検知して職員に知らせる。高齢化で介護現場の人手不足が深刻化する中、業務の効率化などを目的に国も推進する「デジタル介護」。先進的に取り組む施設では、睡眠の質が向上するなど介護を受ける人の生活改善につながることも明らかになりつつある。しかし、デジタル機器への抵抗感や制度的な課 ...

2021年7月13日(火)

「取り残された被災者」を救えるか~ 新たな支援『災害ケースマネジメント』

地震、台風、豪雨-。近年、毎年のように大規模災害が発生している中、住宅や生活再建が進まず「取り残された被災者」の存在が明らかになっている。高齢、障害、病気や生活困窮など様々な困難を抱える被災者が、支援制度を活かせない実態があるのだ。 背景にあるのは災害対応が何十年も前に作られた古い法律に基づき、復興があくまで道路や建物などハード中心なこと。被災者の生活には目が向けら ...

2021年5月13日(木)

ヤングケアラー いま大人がすべきこと

家族の世話や介護を担う「ヤングケアラー」。先月、国が公表した調査結果によれば1クラスに2人程度の割合でいることが分かった。取材から浮かび上がったのは、当事者たちが苦しみを周囲に打ち明けられず、孤立していく実態。長期にわたるケアが人間関係や就職活動に深刻な影響を及ぼすケースも明らかになっている。声を上げられないヤングケアラーたちに、私たち大人はどう気づき、支援することが ...

2021年5月6日(木)

親を捨ててもいいですか? 虐待・束縛をこえて

親を捨てたい…。近年、親との絶縁をテーマにした書籍の出版が相次ぎ、話題を呼んでいる。介護や葬儀の代行サービスにも関心が集まり、ある事業者には40~50代の子供世代からの問い合わせが相次いでいる。取材で浮かび上がったのは、過去に親から虐待や束縛を受けた人々が年齢を重ね親の介護に直面する現実。過去の辛い記憶が蘇るなか「親を大切に」との社会通念に苦悩する当事者たちの声ととも ...

2021年2月17日(水)

“攻めの検査”はどうあるべきか 自治体のPCR検査戦略

新型コロナの感染拡大を防ぐため、あらためて注目される「PCR検査」。発症した人だけでなく、症状のない“無症状”の人も含め、幅広く検査を行うことで、感染の拡大を防ごうという取り組みが始まっている。去年10月からPCR検査を希望する高齢者施設の職員や出入り業者などを対象に、症状の有無にかかわらず検査を始めた世田谷区。宿泊業者を中心に広く検査を実施する観光地・栃木県那須塩原 ...

2020年10月14日(水)

ALS 当事者たちの声

今年7月。難病ALSを患う女性から依頼を受け、薬物を投与し殺害した疑いで医師2人が逮捕されました。ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、意識は明瞭なままで、全身の筋力が徐々に機能を失っていく難病。亡くなった女性は9年前に発病、24時間の介護サービスを受けながら独り暮らししていました。視線でPCを操作し、SNS上で生きる苦しみを綴っていた女性。事件を受け、同じALSで闘病生 ...

2020年10月7日(水)

あした介護が受けられない ~コロナ長期化が生む“介護の空白”~

新型コロナの影響が長期化する中で、これまで利用していた介護が受けられなくなる“介護の空白”が、高齢者やその家族の暮らしを揺るがしている。介護サービスを提供する事業所が感染対策を迫られる中、「発熱したら帰宅」「県外と行き来のある家族がいたら利用停止」などの条件が課され、従来の介護サービスを受けられなくなるケースが相次いでいる。介護を担う家族の負担が増え、介護疲れも深刻化 ...

2020年7月2日(木)

夫婦2人 会えなくなった先に

新型コロナウイルスの感染拡大のなか、病院や介護施設で制限されてきた“面会”。私たちは、緊急事態宣言が出されていた5月から、長い間、会うことが出来なくなった夫婦の声に耳を傾けてきた。見えてきたのは、それぞれの夫婦がこれまで気づかなかった新たな絆のカタチを見いだそうとする姿だった。去年、最愛の夫を亡くしながらも、夫が残した手紙を支えに歩み始めた栗原はるみさんに武田キャスタ ...

2020年6月2日(火)

“介護クラスター” 高齢者の命をどう守る?

全国で相次いで発生した介護施設のクラスター。新型コロナウイルスの感染者が減少する中でも、多くの施設が感染の危機に直面し続けている。なぜ“介護クラスター”が発生するのか。検証からは、「3密」を避けるのが難しく、食事や入浴など生活に欠かせない行為そのものが感染リスクとなる難しさが見えてきた。一方で、行政や医療機関が連携して介護施設を支える取り組みも始まった。「第2波」に備 ...

2020年4月23日(木)

新型コロナ “介護崩壊”を防げるか

新型コロナウイルスの感染拡大によって、大きな危機に直面しているのが「介護」の現場だ。デイサービスなど「通所介護」を中心に、感染リスクを恐れた事業者が休業に踏み切る動きが拡大。従来のサービスを受けられず、高齢者が心身の機能を低下させるケースもある。また介護の負担増に直面する家族も増加。通所介護の代わりとして役割を増す「訪問介護」もヘルパーや支援の不足に悩まされている。介 ...

2019年10月3日(木)

相次ぐ老人ホーム閉鎖 “終(つい)の住みか”で何が?

利用料が比較的安いことなどからニーズが急増している「住宅型有料老人ホーム」。しかし、昨年度、倒産などの理由で廃止届を出した件数が、全国で少なくとも355に上ることが分かった。 突然閉鎖が決まり、入居者が退去させられた福岡市のホームを取材すると、経営スキルに乏しい業者が次々と新規参入している実態や、介護報酬の仕組みが経営を圧迫している構図が見えてきた。“終の住みか”で ...

2019年6月4日(火)

介護施設“虐待死”はなぜ?

先月末、品川区の有料老人ホームで82歳の入所者を虐待し死亡させたとして元職員の男が逮捕された。男は、職を転々とした後、この施設で宿直勤務を任されていた。今、介護施設での「虐待」は、過去最多の510件にのぼり死亡事例も相次ぐ。各地の施設で働いていた職員たちの告白を取材し、虐待を防止しようと行われる研修や職員のケアにも密着。“いのちの担い手”となる介護の現場に何が求められ ...

2019年1月10日(木)

認知症時代に希望 “科学的介護”最前線

「あの人が行くと、認知症でいつも介護に抵抗している人も、なぜだか穏やかになる」そんな介護の達人技の正体が明らかになりつつある―。実は今、介護の世界に科学を導入する取り組みが進んでいるのだ。ベテランの勘頼みだった職人技を最新機器やデータ分析によって見える化。そのノウハウを共有し、業界全体のスキルアップをはかるプロジェクトだ。京都大学では、ケアの際の視線に注目。アイコンタ ...

2018年7月3日(火)

“息子介護”の希望をさがして ~50代ディレクターの介護記録~

いま、「息子」が親を介護する“息子介護”が増え続けている。厚生労働省の調査では、「息子」に介護される高齢者は17%に達し、初めて「嫁」を上回った。一方で、介護中の虐待は、「配偶者」や「娘」に比べて、「息子」が圧倒的に多いというデータもある。昨年から母親の介護を始めた番組担当ディレクター(50代)。慣れない家事や介助に戸惑いながら、悪戦苦闘の日々を送っている。ディレクタ ...

2017年9月20日(水)

介護の“あの悩み”を解決!? ケアの最新ノウハウは

元おニャン子クラブでタレントの新田恵利さん(49)は母親(88)の介護を続けている。特に悩んだのが排せつケア。汚れた衣服の処理や、恥ずかしさで涙を流す母親の姿に戸惑う日々…。介護する側にも、される側にも大きな負担となっている排せつの介護。国の調査では、介護経験者の6割以上が「排せつの介護が負担」と答え、最多となっている。どうすれば楽にできるのか。川崎市の高齢者施設では ...

2017年7月19日(水)

介護保険の大改革 住民力で費用を抑制!?

今年4月、介護保険の大改革が始まった。キーワードは「自立」と「住民力」。対象となるのは、介護保険の入り口、利用者のおよそ3割を占める「要支援1・2」の人たちだ。これまで介護士やヘルパーなど専門職が行ってきた介護予防や生活支援に、資格を持たない住民たちが積極的に関わることに。国が一律に決めていた介護サービスの内容を、今後は各市区町村が判断することになる。高齢者に自立した ...

2016年7月6日(水)

介護離職 こうして切り抜けました ~知っておきたい 24時間 訪問介護~

働き盛りのサラリーマンがある日突然、離職の危機に迫られる…大きな原因のひとつが親の介護だ。介護をしている4~50代の中で、転職や退職などを望む人は実に20万人に達するなか、今注目を集めるのが24時間の訪問介護サービス。朝・昼・晩と一日数回ヘルパーが自宅を訪れ、家族が不在でも介護をしてくれる上、利用料は定額で1割負担なら介護度が進んでも3万円ほどだ。なかには育児と介護の ...

2016年6月23日(木)

また歩けた!認知症も改善! 期待の介護ロボット

寝たきりの男性が歩行支援ロボットでリハビリすると歩けるように!認知症の患者もコミュニケーションロボットを使って脳機能が回復!開発が進む介護ロボットは超高齢社会の切り札として期待されている。しかし、その効果にもかかわらず普及は進んでいない。事故のリスクがある、人手不足で操作を覚える暇がない、などの懸念が施設側にあるためだ。積極的に導入をはかる国もあるなか、介護ロボットと ...

2016年4月28日(木)

そして男性は湖に身を投げた~介護殺人 悲劇の果てに~

YouTubeで400万回以上再生されている動画がある。 10年前に京都で起きたある介護殺人の経緯をまとめたものだ。 50代の男性が認知症の母を殺害し、心中をはかった事件。 献身的な介護の末の事件に、裁判官は執行猶予付きの“温情判決”をくだし、 「お母さんの分まで幸せに生きて欲しい」と男性に諭した。 しかし今年、男性が琵琶湖に身を投げて自殺していたことが明ら ...

2016年2月3日(水)

介護の中身をオープンに ~ハイテク・理論が現場を変える~

去年秋、大手介護事業者の老人ホームで入居高齢者の転落死・虐待などが表面化した。施設という「密室」内での高齢者虐待は、過去3年間で1500か所以上に上っているという。いま、介護施設の『第三者評価』の取り組みが始まっている。外部の調査機関が、スタッフのケア技術から経営内容まで100項目以上を客観的にチェック、「密室」を透明化し介護の質向上を目指すものだ。また、虐待の背景に ...

2015年4月1日(水)

介護職の働き方改革 ~人材確保の最前線~

「重労働で低賃金」と言われ、慢性的な人手不足が続く介護業界。人が足りずサービス休止や閉鎖に追い込まれる施設も出ている。介護報酬引き下げも始まり、いかに継続的に人材を確保するかは現場の死活問題となっている。こうした中、給与や昇進など処遇を改善させることで長年の課題を克服しようとする介護施設が次々と現れている。専門性を評価する6段階のキャリアパスシステムを導入、昇進次第で ...

2015年1月20日(火)

“無届け介護ハウス” 急増の背景に何が

今、全国で、行政に届け出されていない老人ホームが急増している。去年10月の時点で確認されているだけでも、全国で911、前年の2.3倍に上っている。「施設」と「在宅」を大きな柱に制度が設計されてきた介護保険制度。しかし、財源不足によって、特別養護老人ホームなどの施設の建設が限定される一方で、在宅でケアできず金銭的にも余裕のない高齢者が急増し、当初の想定は崩壊。行き場を失 ...

2014年11月10日(月)

“多重介護”担い手たちの悲鳴

「実の親と義理の親」、「親と配偶者」など、1人で複数の家族を介護する“多重介護”。要介護者の増加と介護期間の長期化、そして少子化による介護者の減少を背景に急速に広がっている。しかし、要介護度が「2」以下だと施設への入所は難しい。また、「3」以上でも、特養ホームの費用が払えず、在宅で介護せざるをえない人も多い。医療や福祉も“多重介護”の負担を考慮して支える仕組みは少なく ...

2014年6月17日(火)

介護で閉ざされる未来 ~若者たちをどう支える~

去年、国の調査で、家族の介護を担っている15歳~29歳の“若年介護者”が、17万人以上に上ることが明らかになった。少子化や核家族化・ひとり親家庭の増加などにより、介護を子や孫に頼らざるを得ないケースが増えている。「若年介護者は年長の介護者と比べ、多くのものを犠牲にし、問題が多い」と専門家は警鐘を鳴らす。中退や進学に支障をきたす学生の介護者。就業者の場合、若者の介護休職 ...

2014年5月12日(月)

介護からの“卒業式”

今や国民の4人に1人が高齢者。介護保険の給付は10兆円に迫り、団塊世代が75歳を迎える2025年には20兆円に達するとされる。膨れあがる給付を抑制しようと国は制度改革に着手。自己負担分の引き上げや一部の介護サービスの市町村への移行などを検討しているが、必要なサービスが受けられなくなる懸念が広がっている。こうした中、注目を集めているのが埼玉県和光市の“介護卒業”だ。要介 ...

2013年10月24日(木)

どうする介護離職 ~職場を襲う“大介護時代”~

介護をしながら働いている人は全国で291万人、介護と仕事の両立が難しく仕事を辞める人は年間10万人に上る。多くは40~50代の働き盛り。ある大手商社では、親の介護を理由に海外駐在を避けたいと希望する管理職も出てきている。いったん仕事を辞めると再就職は困難で、やがて介護をする人が生活保護に頼るようになるというケースも。そうした中、仕事をしながら介護を担う人の状況に合わせ ...

2013年9月25日(水)

安住の地はどこに ~広がり続ける“介護移住”~

今、安価に入居できる介護施設や高齢者用住宅の慢性的な不足から、都市の高齢者が地方で介護を受ける状況が増えている。特養の待機者が2千人に迫る杉並区では、静岡県の南伊豆町に保養型特養の建設を計画。厚労省でも都市部の高齢化対策として遠隔地介護に取り組み始めている。しかし受け入れる地方は、雇用の創出や消費の拡大といった経済的効果を歓迎する一方で、介護保険財政の悪化や貧困ビジネ ...

2010年10月26日(火)

介護保険“置き去り”3万8000人

介護保険制度が始まって10年。厚生労働省は2012年までに制度の見直しを行うことにしており、有識者を集めた検討会が今年11月に素案をとりまとめる予定だ。“介護の社会化”をうたい、あまねく人に介護サービスが行き渡ることを目指してスタートした介護保険制度。NHKではその実態を探るため、高齢者に関わる総合窓口として国が全国に整備している地域包括支援センター、約4200か所す ...

2010年10月14日(木)

介護を担う家族を救え

社会全体で介護を支えようと介護保険制度が始まって10年。しかし、介護する側の家族の負担感は軽くなっておらず、国の調査によれば4人に1人がうつ状態に陥っている。家族の形が小さくなったため、独身の子どもが高齢の親を支える“シングル介護”や、夫婦二人だけの“老老介護”が増加。一人一人の負担が重くなっているにもかかわらず、救う手立てがないのが現状だ。介護のために仕事を辞める“ ...

2009年12月9日(水)

失われた力を呼び覚ませ “共生型介護”

一人で立てなかった高齢者が幼児の手を引いて階段を登った。家事をしなくなった80代女性が身体障害者の食事介助を始めた。今、高齢者の失われた力を呼び戻すとして注目を集めているのが、高齢者、子ども、障害者などを幅広く受け入れて一緒にケアする”共生型介護”だ。既存の施設ではサービスの受け手でしかなかった高齢者が「子どもの世話」、「障害者の介助」など「役割」を得ることが、驚異の ...

2009年6月10日(水)

介護と仕事 両立できる社会へ

介護に悩む4、50代の働き盛りの世代が増えている。総務省の調査では、家族介護のために仕事を辞めたり、転職した人は、平成18年10月からの1年でおよそ14万5000人。前の年より4割増えた。背景にあるのは、働く人々にとって利用しにくい介護保険制度や、画一的な会社の介護休暇制度。多くが介護か仕事かの二者択一を迫られている。働き盛りの世代は家計を支えているだけに、介護離職の ...

2009年3月3日(火)

なぜ死なせてしまったか ~“認認介護”の現場で~

いま、認知症の人が認知症の家族を介護する、「認認介護」と呼ばれる世帯が増えている。二人暮らしの夫婦が、ともに認知症になることで生活の維持が難しく、火の不始末や介護の放棄なども起きやすい。また、自ら助けを求めることが難しいため、危険が見過ごされがちなのが現状だ。富山県では仲の良い夫婦がともに認知症になり、悲しい事件が起きる。妻が夫を虐待し死なせてしまったのだ。多くの医療 ...

2009年2月16日(月)

密着 インドネシア人“介護士”

EPA経済連携協定に基づき、今月からインドネシア人介護士候補の受け入れが全国で本格スタートした。徳島県吉野川市にある特別養護老人ホーム「水明荘」では全国で最も多い5人のインドネシア人が着任した。彼らはインドネシアでは看護師の資格を持っているが、日本の施設で3年の実習を経験した後に、日本人と同じ介護福祉士の国家試験に合格しなければ在留資格を得て日本で働くことはできず、長 ...

2009年2月3日(火)

介護つき住宅の落とし穴

今、東京近郊の県にある「無届け有料老人ホーム」のトラブルが相次いでいる。生活保護受給者を受け入れ、介護保険でケアも受けられるとしているが、入居した高齢者の中には、十分な介護サービスが受けられていないという人も少なくない。実は、入所者の多くは、住所を東京都内に置いたままで、生活保護や介護保険を区から受給。区は、こうした施設を黙認し積極的に利用してきた。背景にあるのが低所 ...

2007年6月27日(水)

苦悩する介護施設 ~医療制度改革の波紋~

「医療制度改革」がスタートして1年あまり。その陰で今、介護現場に異変が起きている。本来なら、病院に入院すべき重い症状の高齢者が、介護施設に次々と入所しているのだ。施設の中で、入所者の容態が急変し、心肺停止に陥るなど、命に関わる事例も報告されている。介護施設は、医療を主目的としていないため、病院に比べて医療体制が整っていない。現場の医療スタッフは、危うい綱渡りを強いられ ...

2007年6月20日(水)

介護は第2のハネムーン

先月下旬、芥川賞の選考委員などを務めた作家の大庭みな子さんが亡くなった。それまでの11年間半身不随の生活を支えてきたのは、夫の利雄さんの献身だった。エリート技術者だった利雄さん、妻が倒れるやすっぱりと自分の夢を諦め妻の介護に専念してきた。慣れない男の介護、七転八倒の介護と夫婦の葛藤、その軌跡が利雄さんの介護日記に克明に残されている。日誌の結論は「介護はセカンドハネムー ...

2006年11月7日(火)

なぜ介護の現場で虐待が

認知症の高齢者が急増する中、その症状を緩和すると期待される「ユニットケア」。去年からこのユニットケアを行う施設で虐待が続いている。ユニットケアでは介護職員の都合を優先した画一的なケアへの反省から、入居者一人一人に即した個別のケアを行う。しかし国が介護報酬の引き上げを見送るなか、ケアの増大に追いつかない職員の数、職員教育の不足が問題となっている。ユニットケアを行う施設の ...

2006年10月19日(木)

介護の人材が逃げていく ~誰が老後を支えるか~

超高齢社会に突入した日本。それを支える介護の現場が深刻な人手不足に見舞われている。厚労省の試算では、今後5年間で50万人の増員が必要な介護職員。しかし景気回復の中、介護職の求職者数は2003年をピークに3割以上も減少。新たに仕事に就いた人も、安い賃金に将来の展望が描けず、5人に1人が1年以内に辞めていく。番組では、担い手として期待される若い介護職員が次々と職場を去る施 ...

2006年9月7日(木)

介護サービスが受けられない!? ~介護保険・改正の波紋~

4月の法改正から5ヶ月、介護保険改正の問題点が明らかになってきた。利用者400万人の4割を占める「要支援1~2」の高齢者が、サービスを受けられないケースが相次いでいるのだ。原因は、これまで保険適用に欠かせない”ケアプラン”の作成を引き受けてきたケアマネージャーが、担当人数を制限された上、軽度の人については報酬額を大幅に引き下げられたため、プラン作りを敬遠しだしたことに ...

2006年6月28日(水)

防げなかった悲劇 ~相次ぐ介護心中・殺人事件~

介護に疲れ、生活苦の末に、追いつめられた家族による殺人・心中事件が相次いでいる。今年に入ってすでに10件以上、介護の負担を社会全体で軽減しようと介護保険制度が始まって6年経つにもかかわらず、その数はいっこうに減る気配がない。今年2月、認知症の母親を合意の上で殺害したとして、息子が承諾殺人に問われた京都の事件では、その後の公判で、介護サービスや生活保護など、社会のセーフ ...

2005年3月2日(水)

介護現場で何が ~グループホーム急増の陰で~

今月、石川県のグループホームで、84歳の女性が28歳の男性職員に暴行され亡くなる事件が起きた。男性は介護の仕事に誇りを持っていたが、夜勤専用の職員という現実とのギャップに「爆発」してしまったと供述している。少人数で家庭的な介護を行うグループホームは、認知症のお年寄りの介護の切り札として、今、全国で急増している。 しかし、「個別の介護」ができる一方で外部の目が届かない ...

2005年2月10日(木)

介護が変わる ~“介護予防”の波紋~

見直しが進められる介護保険。改正の最大の柱が介護予防の導入である。介護保険を利用するお年寄りが急増する中、様々な予防サービスにより重度化を防ぎ給付増を抑える狙いである。最も注目される新サービスはいわゆる筋力トレーニング。去年後半から全国の自治体で機械やゴムバンドを使ったモデル事業が始まっている。 要介護度の改善など効果があがる一方、安全管理や対象者が限られるなど課題 ...

2004年12月15日(水)

問われる介護の質 ~介護保険5年目の課題~

介護保険がスタートして四年あまり。民間事業者の参入でサービスの量が急増、利用者は4年間で約300万人と二倍以上に増えた一方で、サービスの質がいま大きな課題となっている。 福祉用具の不適切な貸与の実態、本来必要のない訪問介護の横行、また、適正な介護計画のたてられないケアマネジャーの質の問題などなど、あらためて介護保険の難しさや混乱が広がっている。番組では、混乱が生じて ...

2003年4月23日(水)

狙われる介護報酬

介護保険制度が始まって3年、サービス事業者が介護報酬を不正に請求するケースが急増している。 京都では、ヘルパーの全くいない幽霊会社が、介護サービスを行ったように装い400万円の介護報酬をだまし取ったとして去年10月詐欺の疑いで逮捕されたが、全国で不正の総額は分かっているだけで10億円を越えている。指定を取り消された事業者も75にのぼっている。不正急増の背景には、事業 ...

2002年11月14日(木)

在宅介護をどう支えるか

介護保険制度による介護サービスが始って2年半、在宅介護の現場では高齢者を支えきれない事態も浮き彫りになってきた。 今年5月、佐賀県鹿島市で在宅介護を受けていた80代の老夫婦が川に飛び込み心中を図った。妻は死亡。夫は一命を取り留めたが承諾殺人に問われ、懲役3年、執行猶予5年の刑が確定した。 将来への不安に加え、在宅介護の自己負担額が20万円を越える高額になったことが ...

2002年11月5日(火)

痴ほう介護の切り札になるか ~急増するグループホーム~

160万人といわれる痴ほう高齢者の介護をどうするか。今、少人数の痴ほう高齢者が共同生活をおくる施設、グループホームが急増している。この数年で10倍近く増え、2200箇所を越えるまでになった。背景には、介護保険の対象として認められたことや、設立要件が簡略で異業種からの参入が増えていることなどがある。 個々人に応じた手厚い介護が可能で、「痴ほう介護の切り札」と期待されて ...

2002年4月24日(水)

介護保険 住宅改修の落とし穴

「1人20万円までなら1割の自己負担で、手すりの取り付けや床段差解消などの改修が頼める」お年寄りの在宅での生活を支える介護保険制度の「住宅改修」サービスをめぐって、トラブルが相次いでいる。 「制度を使えば金がかからない」と言われ工事を依頼したところ数百万円を要求されたケースなど、悪質な訪問販売や勧誘が横行。国民生活センターに寄せられた相談件数は200件近くにのぼる。 ...

2002年1月22日(火)

変わる痴ほうの介護

「無表情で、あちこちを徘徊し、便をもてあそぶ」。そんな痴呆のお年寄のイメージを覆す新たなケアが、介護施設で始まった。 施設の中を小さなユニットに分けて、スタッフがお年寄に寄り添い、一つの家族のように生活する、「ユニットケア」と呼ばれる試みだ。 “介護をしてあげる”のではなく、“共に暮らすケア”へ。これまでの介護の常識が大きく変えられた。 ユニットケアによって、包 ...

2001年8月28日(火)

事故多発 介護施設で何が?

介護スタッフが目を離したすきに洗面所で転倒し、頭に大けが。夜中、トイレに行くためベッドから降りようとして転落、腰を骨折。今、介護施設でお年寄りの事故が相次いでいる。ちょっとした事故から寝たきりになってしまうお年寄りも少なくない。一人のスタッフが何人ものお年寄りの世話をする介護施設。介護保険の導入後、施設の多くが事故を防ぐための充分な体制を取れずにいる。安全なはずの介護 ...

2001年6月4日(月)

故郷の親を介護できますか

もしも、故郷の親が倒れたらどうすればいいのか。今、遠距離介護を選択する人が増えている。500キロの道のりを、母親のもとに通い続ける息子や、一人暮らしの母親を介護するため、1000キロ離れた自宅との往復を繰り返す娘がいる。子どもに代わって親の世話をするシステムも動き始めている。故郷に離れて暮らす親を、どのように支えていけるのか。番組では、遠距離介護の問題に迫る。

2001年3月14日(水)

のしかかる負担 痴ほう介護

介護保険制度が始まって間もなく1年。軽くなると思っていた介護の負担が逆に重くなり、痴呆のお年寄りを抱える家族からは、「もう限界だ」と訴える悲鳴や、「介護の負担を軽視している」などの不満の声が上がっている。痴呆のお年寄りは何故充分なサービスが受けられないのか、1年を迎える介護保険制度の課題を検証する。

2000年9月14日(木)

介護の常識を打ち破る男 ~車いす社長・春山満~

強気の商売と辛口な発言で介護ビジネス界を揺るがす男、春山満。進行性の難病を抱える春山さんは、自らを首から下は寝たきり老人、首から上はバリバリの商売人と呼んでいる。障害者としての体験から、自分の欲しい物を商品化して事業を拡大してきた。介護される側の視点から同業者の姿勢にも厳しい。番組では、介護ビジネスの常識を打ち破り続ける春山さんに話を聞く。

1998年1月8日(木)

介護保険で病院が変わる ~急増する老人保護施設~

病院での治療の必要がなくなった高齢者が、できるだけ自宅で過ごせるための体制づくりが行われている。その中心となるのがリハビリなどを行う老人保健施設。いま病院など医療法人によって急ピッチで建設がすすめられている。病院はなぜ積極的に老人保健施設の建設に取り組むのか。介護保険法の成立で、高齢者医療が大きく介護にシフトする実態をリポートする。

1997年12月10日(水)

老後の安心は得られるか ~検証・介護保険モデル事業~

高齢化社会の切り札と位置づけられている介護保険法が成立した。全国で200万人いる介護を必要とするお年寄りを社会全体で支えようという新しい制度で、いま全国で制度が期待通りに機能するかどうか検証が行われている。その中で、様々な課題が浮かび上がってきた。介護保険は公平で適切なサービスを提供できるのか、介護の現場から報告する。