がん患者の間で、健康食品の利用が広がっている。厚生労働省研究班の調査によれば、患者のおよそ4割が使用しているとみられ、市場規模は数千億円という試算もある。書店には、「健康食品が、がんに効いた」などという患者の体験談をまとめた本が並んでいる。利用が広がるなか、健康食品を使った治療法をめぐって、患者が医師を訴えるなどの動きも起き始めている。また、患者の体験談を出していた出版社が薬事法違反の疑いで警察の強制捜査を受けた。健康食品のように薬でないものは、薬事法で、効能や効果を広告してはいけないと定められているが、体験談本を使って、「健康食品でがんが治る」かのように違法に広告した疑いが持たれている。 さまざまな情報が氾濫するなかで広がる、がん患者を対象にした健康食品。国が先頭に立って、健康食品の臨床試験の実施に乗り出したアメリカの事例を交えながら、今、何をすべきかを探る。
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