全国の児童相談所に寄せられる虐待の相談件数は年間2万3千件以上、そのうち0?2歳児の41%を占めるのが「ネグレクト(無視)」である。
そうした赤ちゃんの中に「笑わない」「泣かない」子が多いことが、深刻な問題になってきた。虐待を受けた子を預かる施設の現場では、親から子供と扱ってもらったことがない子が、大人を信用することができず、親代わりとなった職員に対しても、人間としての感情を表現できないケースが増えているという。科学的なメカニズムや治療法の研究はまだ途上段階だが、人間の「笑い」は本能的な能力ではなく、誕生直後、親との会話によってしか獲得できないものだということ、またネグレクトによって脳内ホルモンが異常に分泌され発育異常が起きること等が分かってきた。
乳児院の現場と、最新の科学的研究を追う。
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