背景には増える虐待問題

「子どもの社会的入院」の背景には、増え続ける児童虐待の問題があります。ことし(平成28年)3月までの1年間に、全国の児童相談所が把握した児童虐待の件数は、10万3260件と過去最多になりました。


中でも、大阪府は、1万6581件と全国で最も多くなっています。一方、保護された子どもを受け入れる乳児院や児童養護施設には空きがない場合が多く、大阪府は、ほかの都道府県の施設に受け入れてもらう対応もとっています。しかし、虐待の後遺症で障害を負い、専門的なケアが必要な子どもなどの場合は、受け入れ先を見つけるのに時間がかかるのが実情です。

受け皿が慢性的に不足している

大阪市の中央児童相談所の元所長で、NPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は「大阪では、10数年以上前から一時保護所や児童福祉施設といった受け皿が慢性的に不足している。病院に受け入れ先としてのしわ寄せが来ている。必要のない入院は子どもの成長に悪い影響が出る恐れもあり、長期化することは避けなければならない」と話しています。

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