大阪府の調査で(大阪市堺市除く)
1年で少なくとも33人

暴力や育児放棄などの虐待を受け、治療が終わったあとも、受け入れ先がないなどの理由で入院が続く、いわゆる「社会的入院」の状態の子どもが大阪府内で、1年間に少なくとも33人にのぼったことが、府の調査で分かりました。都道府県が、「子どもの社会的入院」の実態を独自に調査して明らかにしたのは初めてとみられます。

医師グループの調査では3年間でのべ168人

暴力や育児放棄などの虐待を受け、治療が終わったあとも、受け入れ先がないなどの理由で入院が続く、いわゆる「子どもの社会的入院」について小児科の医師のグループは、大阪府内で、去年(平成27年)までの3年間に、少なくとも、のべ168人にのぼったとする調査結果をまとめています。

去年3月までの1年間大阪府内で33人(大阪市 堺市除く)

これを受けて、大阪府は、政令指定都市の大阪市と堺市を除いた、府が所管する児童相談所を通して、こうした事例がどれくらいあるか、実態を調査しました。その結果、去年3月までの1年間に、府内で、1週間以上「社会的入院」の状態にあった子どもが、33人いたことが分かったということです。

多くは親から虐待 長い場合1年近く入院

府によりますと、多くは、親などから虐待された乳児で、半数以上が、治療が終わってから1か月程度、長い場合は、1年近く入院が続いたということです。入院が長引いた理由としては、乳児院や児童養護施設などに空きがなく、受け入れ先を見つけるのに時間がかかったケースや、虐待などの調査に時間がかかったケースが多いとしています。

子どもができるだけ早く退院できる取り組みを

「子どもの社会的入院」の詳しい実態は分かっておらず、都道府県が、独自に調査して明らかにしたのは初めてとみられます。大阪府の家庭支援課は、「今後、国にも働きかけるなどして、子どもが、できるだけ早く退院でき、よい養育環境で支援が受けられるよう取り組みたい」と話しています。

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