1919年1月。第一次世界大戦末のパリに、世界主要国のキーパーソンが集結した。「パリ講和会議」の幕開けである。以来、6か月にわたる前代未聞の国際会議が行われた。
第二次世界大戦、東西冷戦、そしてバルカン半島や中東での紛争……。20世紀を形作った数々の戦争や紛争の火種は、「パリ講和会議」の場で形成された、とも言われている。

参加者は、戦勝国イギリスのロイド・ジョージ首相、アメリカのウッドロウ・ウィルソン大統領、フランスのクレマンソー首相をはじめ、世界30か国あまりの首脳や外交官たち。
会議を終始リードしたのは、20世紀の大国、アメリカのウィルソン大統領であった。ウィルソンは、「民族自決」「軍備縮小」「国際平和機構の設立」など崇高な理念に燃えていたが、各国とのせめぎ合いの中で、次第に現実的な妥協を積み重ねて行った。

理想主義はどのようにして後退したのか。そして、20世紀の紛争の火種はどのような形で後に残されたのか。未公開の貴重な歴史資料とドキュメンタリー・ドラマで、「パリ講和会議」を再現する。

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