再放送 総合 2015年5月6日(水・祝)午後2時~3時

菜の花ラインに乗りかえて 千葉発地域ドラマ

番組のみどころ

恋も仕事も順調な、国際線のキャビン・アテンダント、本多かおり(吹石一恵)。

彼女に襲いかかるリストラ、失恋などの不幸の数々。失意の中、帰省したかおりが出会ったのは、少女時代に乗った懐かしい黄色の列車だった。

美しい田園や里山を縫いながら、房総半島をゆっくり横断するローカル線。かおりは貯金をはたいて訓練費の700万円を捻出し、鉄道運転士を目指す一大決心をする。かおりは新たな夢をかなえることができるのか…?

作者のことば

脚本家:真柴あずき(演劇集団キャラメルボックス)

取材で千葉を訪れた時、少女時代、休みのたびに過ごした母の実家の光景が頭に浮かびました。春の満開のレンゲ畑、真夏の濃い藍色の海、山の頂上に突然広がる原っぱ。思い出すと胸の奥が温かくなり、もう少し頑張ってみようという気持ちが湧いてきます。それは多分、様々な光景が、「ずっとあなたの夢を応援するよ」と言ってくれた祖母の笑顔に続いているからだと思います。そんなことを感じて以来、主人公のかおりたちが、前に進みたいと思える光景を描き出したいと願ってきました。このドラマが、見てくださる方の力に少しでもなることができたら。こんなに幸せなことはありません。

制作にあたって

プロデューサー:秋満吉彦(NHK千葉放送局)

新たな夢を求めて若い人たちが千葉にどんどん移り住んでいる……それまで千葉に対して明確なイメージが持てずにいたぼくは、幾つかの取材現場で、驚きとともにその現実を目の当たりにしました。

そこまで彼らを惹きつける千葉のよさって何だろう? ドラマの企画を練りながらたどり着いた結論、それは「どんな生き方でも受け入れてくれる大きな包容力」。今回のドラマでは、ひとたび人生に挫折した人たちが、千葉の包容力に抱かれ、新たな夢を見いだしていきます。ドラマをご覧になって、そんな千葉の「懐の深さ」を感じていただけたらうれしいです。

演出にあたって

演出:吉川邦夫(NHKドラマ番組部)

「千葉県の魅力をひとことで言うと?」その答えが「ひとことで言えないこと」だと気づいた時に、このドラマの骨格が決まりました。

どんな人でも自分なりの生き方を見つけられる場所。そんな千葉の色彩豊かな風景に包まれて、色とりどりの主人公達が小さな幸せをみつけてゆく大人のメルヘンをお届けします。物語にぴったりの色鮮やかな映像もどうぞお楽しみください。

作曲家のことば

音楽:伊藤芳輝

じっくり楽しみながら作らせていただきました。
出来上がってきた映像のひとつひとつの場面を見ながら、細部にわたり音楽が映像や役者さん達の演技や心情に寄り添うよう心を込めて曲を書かせていただきました。
この素晴らしい脚本、映像、演技に音楽で更に彩りを加えられたら幸せです。
そして、多くの方にこのドラマをご覧いただき、楽しんでもらいたいと思っております。
この作品に参加させていただいた事を心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

メインビジュアル担当は、片岡鶴太郎さん!

ポスターやパンフレットなどを飾るドラマのメイン・ビジュアルは、仕事で何度も訪れた千葉に特別な思いをもつ片岡鶴太郎さんに描いていただきました。

「春を告げる菜の花の中を黙々と走る姿に愚直な誠実さを感じ、日常を大切に生きる事を教えられます。その一年の晴れの姿を描かせて頂きました」と語る鶴太郎さん。ドラマでも、地元のもなか屋のおじさんとして特別出演していただいています。