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レノファ 今季のスタイルは? キーワードは“組織”

チーム再建なるか?見えてきたスタイルとは
  • 2024年03月06日

今シーズンからレノファ山口の指揮をとる志垣良監督。攻撃的サッカーの継続を掲げつつ、これまでとは違う戦術を選手たちに浸透させながら、着実にチームをまとめています。その指導から、今シーズンのレノファのスタイルが見えてきました。

(NHK山口放送局記者 具志保志人)

目指すは“組織で戦う”サッカー まず守備の改善へ

今シーズンから指揮をとる志垣良監督。その指導スタイルは、極めて緻密です。
練習で何度もプレーを止め、状況に応じた対応を指導。

(志垣監督)
「狭い中で判断早く」「最後通すところ」「まだ遅い」

コンセプトを明確に示すことで、選手たちの戦術理解を深めていきました。

(志垣監督)
「本当にサッカーって非常に難しいスポーツで11人が同じピッチの上に立って同じ絵を共有していかなければいけないので、この局面ではこういう答えを出していこうという、そういうディテールのところというのは選手個人個人がしっかりと共有しなければいけない。そういった意味でも原理原則をもとにしっかりと同じ絵を描いてもらえるような指導は心がけています」

志垣監督が目指すのは「組織で戦う」サッカー。「いい攻撃はいい守備から」「いい守備はいい攻撃から」というコンセプトのもと、まずは守りの改善に着手しました。個の力に頼らない組織的な守備をしようと、各選手が担当エリアをカバーする「ゾーンディフェンス」を取り入れています。

(志垣監督)
「マンツーマンになってしまうと 守備のやり方としてははっきりするものの、どうしても個の能力の高い外国人選手とぶつかった時に個で負けてしまうとチームがほころびを作ってしまうという状況にもなりかねないので。どんな相手でも同じ共通認識のもと、しっかりと守備ができるように組織的に守備ができるというやり方を今回はしっかりと作っていきたいと感じています」

選手たちにも“変化”が

「コンセプトははっきりしているが実行するのが難しい」と選手たちが話す志垣監督のサッカー。ことし2月に行った鹿児島キャンプでは3回練習試合を組み、戦術を浸透させていきました。試合中も選手たちに細かく指示しながら、試合で出た課題はすぐにミーティングで共有します。

ミーティングの様子

そして、練習で課題をひとつひとつ、修正していきました。そうした作業を繰り返すうちに、選手たちの姿勢に大きな変化が。

選手どうしで連係について話し合う場面が大幅に増え、チームのコミュニケーションが活発になったのです。

キャンプでは日を追うごとにコミュニケーションが活発に

(志垣監督)
「最初当初スタートした時は大丈夫かなと思うぐらい静かだったんですけれども。本当に今ではレスポンスもありますし、選手どうしのコミュニケーションも本当に細部までしっかりとコミュニケーションをとれているのではないかなと感じています。本当に繰り返し繰り返し。ミーティングも重ねていますし、また同じ事を言うのかよって言われて。でもそこで本当しつこく言われて、その中でプレーする中で意識し始めて、それが自然と体が動くようになっていくので、それは本当に時間を要する部分もあると思うんですけれども、なるべくそういう局面を多く作り出すことで、プレーが連続してできるような状況に持っていきたいなと思っています」

レノファの攻撃的スタイルを“縦”に速いサッカーへ

一方、「いい守備につながる」攻撃については、ゴールへの最短距離を目指すスタイルを作ろうとしています。具体的には、相手の背後を狙って「縦」にボールを運ぶことを意識。レノファが掲げてきた「攻撃的サッカー」を、パスをつなぐスタイルからより縦に速いサッカーに変革しようとしています。

(志垣監督)
「本当にサッカーというのはゴールは1つなので目の前のゴールにまず向かうこと。そのゴールに向かう姿勢だったり迫力はやはり相手にとっては脅威になるはずですし。背後だったり隙がある時にはそこをしっかり狙ってやっていく。そのためにしっかり認知しておくということが大事かなと」

「攻守は表裏一体」と捉える志垣監督のサッカー。選手たちも、手応えを感じています。

(佐藤謙介選手)
「中にいてもいい感覚を持っているし、何よりも全員が大きい声でしゃべり続けながら練習できているし、いい雰囲気でやれている」

(板倉洸選手)
「コミュニケーションをとってここがどうだった、ああだったというのは理解も深まっていくと思うしいい方向にいっているのかなと思う」

“無意識の極限”まで突き詰める

着実にチームの土台を築いている志垣監督。まだまだチーム作りは始まったばかりだと考えています。

(志垣監督)
「さらに細かな部分を詰めていって、最後は意識した中から無意識の極限まで持っていくことができたらいいなと感じてて。例えば今もみなさん考えてお箸とか使ってないと思うんですよね。親から教えてもらう時はどうしてもぎこちないと思う。でも今もみんなお箸なんか無意識に考えずに使えると思うんです。本当にプレーの中でも、そういった、もうスッと体が動くような状況をさらに作っていければいいなと思っています」

  • 具志保志人

    山口放送局 記者

    具志保志人

    2020年入局
    沖縄出身の元高校球児
    1人カラオケが趣味です

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