道行く女性たちの足元を彩る「ブーツ」。乙女のおしゃれゴコロを魅了してやまないブーツには、実は、共通点がありました。 |
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ブーツは、もともとファッションではなく機能性を重視した、男性の履物だったのです。 |
壱のツボ 隠して魅せる脚線美
ブーツをなぜ、女性がはくようになったのでしょう。アールヌーボー華やかなりし頃。長いスカートの下に貴婦人たちはブーツをはいていたのです。当時、ドレスの胸元は開いていても、脚は見せてはいけないという美意識がありました。つまり、ブーツは男性の視線から脚を守っていたのです。しかし、守らなくてもいい時もあります。 |
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日本の女性がブーツと出会うまでには、1960年代後半に大流行した、あるスタイルの洗礼を受けなければなりませんでした。ミニスカートです。 大谷 「ミニスカートで出た脚というのは抵抗がある。でも、ブーツで隠すことで奥に潜んだ抵抗を一気にブーツが飛び越えさせてくれた。それがよりブーツを広めたと私は思います。」 |
日本女性たちは、ミニスカートでさらけ出す脚を隠せる、ロングブーツをはいたのです。さらに女性たちは、ブーツが脚のシルエットをより細く、美しく見せてくれることに気づきます。 |
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脚のラインをより引き立てるロングブーツ。一方で短いながら、見せ方次第でセクシーになるブーツもありました。ショートブーツです。 大谷 「足首よりちょっと上で切れた筒からニョキッと足が出て、より細さを演出できるし、隠すということがあるので、その逆説的な効果としてセクシーが生まれる。」 隠したり見せたり。長さは違っても、ブーツは、女性のセクシーさを自在に演出できるのです。 |
弐のツボ タフから生まれたキュート
エンジニアブーツはもともと、工場で働く男たちのもの。 |
大谷 「ハードだけどハードに着こなさない。それがかわいいはき方じゃないかなと思いますね。細いものに合わせていくというか、例えばレギンスにボカッとエンジニア履いてふわっとしたニットをかぶるように、はおるというか」 2つ目のツボは、 |
エンジニアブーツは、20世紀初頭のアメリカで工業化とともに広がりました。ポイントは機械に足をまきこまれないようにすること。靴ひもの代わりにベルトじめにしています。さらにひっかかりを減らすため、立体成型で、縫い目を少なくしています。 |
しかし、踝(くるぶし)部分は、三枚の革をはり合わせなければなりません。 |
革を貼り合わせる前に、「漉き(すき)」といわれる工程があります。革と革の接合部分が、分厚くならないように、薄くけずる作業です。0.1ミリ単位で調整しながら、革を薄くしていきます。職人の指の先の微妙な力加減が出来を左右します。 |
2.3ミリの革が、0.5ミリまで薄く加工されました。脛(すね)から踝にかけては、さらに微調整が行われます。でっぱりがなくなるだけでなく、足首の動きやすさも実現しているのです。 |
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エンジニアブーツを作っている森田紀之さんです。 森田 「はり合わせた部分というのは、厚いままではっていくと、どうしても脚に触ったり、ボコボコしたり、美しさがなくなってしまうんで。色気のある所ですから、一番気をつけなければならない所ですね。」 |
その反骨のDNAは、現代の日本女性に形を変えて受け継がれています。ガールズロックバンド、「sugar’N'spice(シュガーンスパイス)」。ヴォーカルのKYAOさんは、15歳の頃から女の子だけのバンドにこだわっています。スカート、そして足元はエンジニアブーツ。 |
KYAO 「かわいさアピールはしたくなかったし、女の子なりに強くてカッコイイことをしていかないとダメなので、とか思っていたら、ブーツにいきつきました。動きやすいし、身に着けていると、なんか、ちょっとだけ強くなった気分になれるので、気に入っております。」 女性が身に着けることで男性とは違った輝きを放つエンジニアブーツ。それが女性に愛される秘密です。 |
参のツボ 足元に咲くアート
ウエスタンブーツは、そもそも、サボテンのとげや、ガラガラ蛇からカウボーイの脚を守るために作られました。革は重ねられステッチで補強されました。それが、次第に装飾へと発展したといわれます。 |
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北青山にある老舗のウエスタンブーツ店、店長の横山健児さん。 横山 「一説によると、まだ楽しみのない時代に、牧場で働いた給料を全部、ブーツや帽子につきこむのが、カウボーイの最大の楽しみで、デザインがこるようになってきた。」 |
東京台東区で、夫婦で靴修理店を営む奥山恵さん。ウエスタンブーツを日々愛用しています。 |
奥山 「一足の中にいろんな柄とか色がたくさん入っているじゃないですか、そういうのは楽しいし、あきがこない。ブーツが主役になるように、上は控えめな格好にしてブーツを目立つようにしてもいいし、いろんな色が入っているので、ファッションをある色を使って楽しめると思います。」 |
日本にも実用的な履物にルーツを持つ究極のブーツがありました。大胆な形、カラフルな柄。実は、地下足袋です。 若林 「デザイン的には世界に類をみないデザインですし、機能性もある伝統的な履物と言える。これは、日本人が気づいてないだけで、世界的にみたら、きっとヒットするんじゃないかなと直感的に思ったんですね。」 |
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若林さんが生まれ育った京都。四季折々の自然をめでる伝統的な美意識があります。その土台の上に、若林さんは、新しい和のデザインを加えたのです。 若林 「桜にしても山にしても、水、風、月にしても、今の感覚で、日本の京都で感じることを柄にすれば、平成の和柄みたいなものに位置づけられると思う。」 |
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機能重視の履物としてはじまった和製ブーツ。こだわりのアートとして、花開いています。あなたも、自分だけの花を足元に咲かせてみませんか? |
日に日に寒くなり、本格的な冬の寒さを感じるこのごろ。
持っていても、毎年新しい物を欲しくなってしまうのがブーツなんですよね~。
数年前札幌に暮らしていた時は、冬の間毎日ブーツを履いていました。
11月には初雪が降っていましたから、11月から3月までの5か月間、何足かのブーツを履き回し、毎日雪の路面を踏みしめていました。
ブーツを履くと「ああ、これから長い冬が始まるんだな」と思うのです。
つるつるの路面を歩くには、ヒールが細すぎずしっかりしていて、底も滑り止め仕様の物。
何度か転びながらも、3月に入り春が近づく頃には、ともに一冬を過ごしたブーツはすっかり相棒でした。
すり減った滑り止めの底を見ると、頑張ってくれたブーツにねぎらいの言葉をかけてあげたいと思うほど。
ブーツからパンプスに履き替える時に、長い冬の終わりを実感したのを覚えています。
楽曲名 | アーティスト名 | 使われた場所 (番組開始後) |
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Moanin' | Art Blakey & The Jazz Messengers | 0分2秒 |
Sandalia Dela | Duke Pearson | 1分13秒 |
Street of Dreams | Cannonball Adderley | 3分3秒 |
A Night in Tunisia | Turtle Island String Quartet | 4分24秒 |
Afrodisia | Kenny Dorham | 6分30秒 |
No.11 | Chick Corea | 7分36秒 |
Fly Me To The Moon | Julie London | 8分12秒 |
Isn't She Lovely | Sonny Rollins | 11分0秒 |
The Road You Choose | Branford Marsalis | 12分46秒 |
Crossroad | Turtle Island String Quartet | 14分47秒 |
No.13 | Chick Corea | 16分5秒 |
Party | Eric Clapton | 19分38秒 |
December | Norah Jones | 20分42秒 |
St.Louis Blues | Art Tatum | 23分0秒 |
Don't Know Why | Pat Metheny | 24分42秒 |
Monday,Monday | Chet Baker & Bud Shank | 25分28秒 |
What Game Shall We Play Today | Chick Corea | 26分31秒 |