新しい美の壺のタイトル映像は、紫舟さんが書かれた題字の書を使って、空書というチームラボがここ数年取り組んでいる映像にしようと思いました。
NHKの美の壺の制作チームとのディスカッションの中で、動植物が溢れる世界の中で、題字が書かれていく映像にしようということになり、題字が大胆に書かれていく様を、鯉が大胆に泳ぐ、尾ひれで、書かれていくという構成にしました。
空書とは、空間に書く書という意味です。伝統的な書を、現代の解釈で、空間に、立体的に再構築しました。墨跡が持つ、深さや速さ、力の強さのようなものを、新たな解釈で、映像作品として表現できればと思っています。
今回は、書家の紫舟さんが書かれた題字を、空間に対して立体的に再構築しました。
書のみの映像
僕らは、日本美術の平面には、西洋社会のパースペクティブとは違う論理による空間が存在していると考えています。そのような考えの基、僕らは、絵ではなく、まず、空間に立体物として創っていき、どのような角度から見ても、日本美術的な平面化が起こるような映像を創っています。日本美術の考え方の延長線上にあるような映像作品を作ることができればと思っています。
今回は、鯉や、草花を空間に、立体物として創り、その空間に、再構築された「美の壺」という題字を、鯉がテーマ曲に合わせてリズミカルに描いていきます。
チーム★ラボ 代表 猪子寿之
書の回転映像
2001年に東京で活動をはじめたウルトラテクノロジスト集団。
プログラマー、ネットワークエンジニア、デザイナー、ロボットエンジニア、建築家、CGアニメーター、数学者など、様々なスペシャリストからチームが構成され、テクノロジー、アート、デザインの境界線をあいまいにしながら、ウェブからインスタレーション、ビデオアート、ロボットなど、メディアを超えて活動。