二代目「美の壺」題字です。
初代は、NHKの美術番組班から、「まったく新しい美術番組をつくる」と依頼を受け、その内容と斬新さから、行書や楷書ではなくまったく新しい美の壺だけのオリジナル書体をつくろうと思い、おおよそ500種類くらいの書体を生み出しひとつが選ばれました。
そこから三年が経ち、二代目新「美の壺」の題字の依頼を受け、今度はこれまでの「美の壺」の歴史と蓄積から、初代と同じ方向性を受け継ぎながらも、蓄積された骨太感を表現するため「壺」という字には、その詰まってきている蓄積が目にも感じられるような形に仕上げています。
オープニング映像では、平面の書が奥行きのある立体となり表現されています。書が平面から立体になり動く、その表現の新しさに感激!これまでも書の3D映像や動く書は見たことがありましたが、彼らが作り出したもののクオリティーの高さ意味深さには、すごすぎて大感動です!
※制作:チーム☆ラボさん
書「壺中天」、三代目となりました。初の額作品ですが、
この額は、古い漆塗りの重箱や盆から出来ています。重箱が丁寧に解体されひとつひとつ配置されていくと、洋館にもよく似合う重厚感のある額に仕上がりました、発想が素晴らしいですね!草刈さんが通るドアの隣に飾られています。
※制作:三田三さん
「壺中天」の意は、俗世間とはかけ離れた別天地のことだそうです。
そこから、今回は書には間逆の書き方を用いてみました。白い部分は、白塗料ではありません、実は和紙の色そのものです。文字以外を墨で塗り仕上げています。壺中天の別世界のイメージから、通常とは全く別の見せ方にしてみました。
書を紙(平面)から解き放ち、奥行きのある立体オブジェに仕上げています。オープニング映像で奥行きのある三次元になった書を鉄で仕上げました。(左1写真)製作中の「壺」の正面、(左2写真)製作中に「壺」を右横から撮影、(左3写真)制作風景…いつもやけど注意しつつ、(右写真)鉄でできた書のオブジェ「壺」、正面から見ると書の「壺」と一緒です!草刈さんの後ろに飾られています。
※製作協力:SAURS徳持さん&チーム☆ラボさん
紫舟(ししゅう)
六歳より書をはじめる。書を用い、文字をイメージ表現・表情・感情をつけ情報としての文字に意思を吹き込む。
photo: T.Kurimoto