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愛媛・高知で震度6弱 南海トラフとの関係は?徳島の専門家に聞く

  • 2024年04月18日

17日午後11時14分ごろに、愛媛県と高知県で震度6弱を観測する地震があり、徳島県内でも徳島市と小松島市で、震度3の揺れを観測しました。南海トラフ巨大地震との関係性は?徳島での備えは?専門家へ取材しました。

気象庁「南海トラフ地震が急激に高まっているわけではない」

17日午後11時14分ごろに豊後水道を震源に発生した地震では、震度6弱の揺れを愛媛県愛南町と高知県宿毛市で観測しました。また、震度5強を愛媛県宇和島市。震度5弱を愛媛県八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、鬼北町で観測しました。

徳島県内では、震度3を徳島市と小松島市で、このほか県内の広い範囲で震度2の揺れを観測しました。

気象庁によりますと、愛媛県と高知県で震度6弱以上の揺れを観測したのは、現在の震度階級が導入された1996年以降、初めてです

今回の地震は、南海トラフ巨大地震の想定震源域内で起きました。
想定震源域内でマグニチュード6.8以上の地震が発生するなどした場合、気象庁は巨大地震との関連性について調査を始めたことなどを示す「南海トラフ地震臨時情報」を発表しますが、今回の地震の規模は6.6で基準未満だったとしています。

また、南海トラフ巨大地震とメカニズムが異なるなどとして、巨大地震が起きる可能性が急激に高まっているわけではないという見解を示しました
一方で、気象庁は揺れの強かった地域では今後1週間ほどは最大震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。

専門家「徳島でも備えを」

今回の地震について、地域防災が専門の徳島大学の中野晋特命教授は、今回の震源地を含む、安芸灘から伊予灘、それに豊後水道にかけてはフィリピン海プレートの内部で、マグニチュード7前後の地震の発生が予想されている地域だと指摘しています。 
一方、南海トラフ巨大地震への影響については、「今回はプレート内部で起きた東西の引っ張りによる正断層地震で、南海トラフで想定されるプレート境界の地震ではない。メカニズムが違うことから、直接的な影響はない」という考えを示しました。

また、今回、愛媛県宇和島市より震源地から離れた高知県宿毛市が最大震度の6弱を観測したことについて「大きな揺れがあった要因として、市内を流れる松田川沿いの地盤が緩く、揺れが増幅する特徴が強くあらわれたのではないか」と分析しています。

そのうえで中野特命教授は、「徳島では吉野川周辺や紀伊水道沿いの地域が全国でもトップクラスに揺れやすい。非常に強く揺れる場所に多くの住宅があるため、ほかの地域と比べてもしっかり地震に備えなければならない」と指摘しました。

後藤田知事「震源地の地域への支援体制を整えたい」

後藤田知事は、18日午前、県庁で臨時の記者会見を開きました。
このなかで後藤田知事は、「被災された人に心からお見舞いを申し上げる。今後1週間は震源地の地域への支援体制を整えたい」と述べ、現地から要請があれば、愛媛、高知、大分の各県に対し、応援の職員を派遣するなど支援できる態勢を維持するよう職員に指示したことを明らかにしました。

また、徳島県内では被害は確認されていませんが、この地震を受けて県内の市町村長に対し、南海トラフの巨大地震や「中央構造線断層帯」の地震を想定して、それぞれの自治体で、住民の避難場所や避難経路の安全性が確保されているかどうかあらためて確認するよう呼びかけたということです。そのうえで後藤田知事は「県民は非常用の持ち出し袋や家庭の備蓄を再確認してほしい」と述べ、災害への備えを呼びかけました。

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