ページの本文へ

徳島WEB特集

  1. NHK徳島
  2. 徳島WEB特集
  3. 徳島・冬の楽しみ 見て・触れて楽しむ伝統の阿波和紙

徳島・冬の楽しみ 見て・触れて楽しむ伝統の阿波和紙

和紙づくりの過程や手すきを岡田理紗キャスターが体験
  • 2024年01月10日

およそ1300年もの歴史があるという徳島の伝統工芸 「阿波和紙
阿波和紙を見て・触れて・楽しめる施設を取材し、
徳島ならではの藍染の和紙もご紹介します。

新年にぴったりの紅白の飾り和紙

阿波和紙は水に強く、丈夫なのが特徴です。
和紙の産地の条件は、水がきれい・水量が豊富なこと。
この条件に当てはまる吉野川市では、
近くを流れる吉野川水系の水を活用して和紙が作られてきました。

阿波和紙の伝統を伝える施設へ

訪ねたのは、吉野川市にある阿波和紙伝統産業会館
阿波和紙の伝統を伝えようと30年あまり前にできた施設です。

JR阿波山川駅から徒歩20分程度の場所です

定期的にワークショップを開いていて、
カレンダーなど様々な和紙づくりが体験できます。
取材した日には親子がカレンダーを作っていました!

「字を書く時、和紙の凹凸を感じられて面白かった!」

阿波和紙を使ったグッズの販売なども行っています。

色とりどりの染め和紙
自由研究でも人気の自宅で紙すきができるセット!

和紙で動物を作れるはりこキットも販売されています。
不器用な私は”たつ”を2匹作るのに4時間かかりました…。

癖になるかわいさで放送後も飾っています

阿波和紙はどうやって作る?

和紙づくりの様子を見せてもらいました。
会館近くのログハウスを訪れると…

左が”こうぞ” 右が”みつまた”の木の枝

立ち上る湯気、中で蒸されていたのは…
阿波和紙の原料となる「こうぞ」と「みつまた」の木!蒸した木の枝から、和紙づくりに欠かせない皮をはぎます

スタッフさんたちが手作業で素早く皮をはぎます

私も一本体験させてもらうことに。
みつまたは二人がかりの作業、息を合わせて引っ張ります!

根本側は堅いものの、枝の先はスルッとはげました

このはいだ皮を天日干しで2週間ほど乾燥させます。

会館では職人さんの和紙づくりも見学できます

そして釜で煮て繊維をばらばらにしたら、原料から不純物を取り除き「すけた」という道具で和紙を一枚ずつ丁寧にすいていきます。

この日は職人さんが黒い色の和紙をすいていました

阿波和紙の手すきに挑戦!

会館スタッフの住友 義正さんの指導のもと、私も和紙の手すき体験をさせてもらいました。
まずは原料を水に混ぜてかたまりをなくしていきます。

粘りがあってトロっとしています

すけたで原料をすくったら、余分な水を落としていきます。

初めて持つすけた、木の枠をしっかり持ってすくいます
すけたを揺らしている間、重さで腕がプルプルしました…

この作業をもう一度繰り返したら、白い和紙が完成。
さらに飾り和紙や染料などで飾り付けていきます。

いろいろな和紙で自分好みに飾ります!

完成した作品がこちら!
えとの”辰(たつ)”を表現し、藍の葉や様々な和紙で飾りました。

上下の波のような模様は飛んでいく”たつ”です…

阿波和紙の手触り素朴な質感すごくホッとしました。
何よりも世界に一つだけの自分の和紙というのがうれしかったです。

徳島ならではの藍染和紙

他の地域では見られないのが「藍染和紙
和紙を徳島伝統の藍で染めています。

藍色のグラデーションと阿波和紙の質感が印象的

和紙を染液につけたら紙がボロボロになるのでは…?
紙は丈夫なまま藍色に染まる秘訣がこちら!

こんにゃくの粉から作った”のり”です

こんにゃくのりを和紙の表面に塗ることで、
水に強くなり藍の液につけられるようになります

こんにゃくのりパワーで水をかけても平気です

わずか3人しかいないという染師のおひとり、藤森 美恵子さんにお話を伺いました。

藤森さん

空見てもでしょう、海の色も、遠くの山見てもでしょう。
藍染を使ってその自然を表したいという思いで染めています。
和紙の藍染は徳島だけだと思います。

山のりょう線を藍色の濃淡で表現した作品

江戸時代に作られていたものの、一度は途絶えたという藍染和紙。
藤森さんたちが再び作り始めました。

藤森さんの作品を10種類近く見せてもらいました

見て・触れて・作って阿波和紙を知った一日でした。

和紙の手すきなどの体験 予約・お問合せ
阿波和紙伝統産業会館
0883ー42ー6120

  • 岡田 理紗

    徳島局・キャスター

    岡田 理紗

    「とく6徳島」キャスター

    こんなに多くの和紙を見るのは初めてでした!
    藍染など色付きの和紙、和紙を使ったグッズから阿波和紙の無限の可能性を感じました。
    一枚ずつ手すきで作るからこその質感や職人さんの愛情、歴史も魅力の一つです。
    寒い冬は、暖かい館内で伝統の和紙に触れてみてはいかがでしょうか。


ページトップに戻る