徳島県開発の新グルメ「阿波とん豚」 日笠キャスターが取材!
- 2023年05月25日
徳島県が開発したブランド豚「阿波とん豚(とん)」を、みなさんはご存じでしょうか。
徳島県で出荷される豚の数は年間8万頭ほどですが、「阿波とん豚」はその1%にも満たない、500頭ほどです。希少な豚であり、味も絶品です。
日笠まり絵キャスターがその秘密を探ってきました。
「阿波とん豚」がいると聞いて向かったのは、上板町にある県の畜産研究課です。
研究員の新居雅宏(にい・まさひろ)さんに施設を案内していただきました。
「阿波とん豚」はどんな豚なんですか?
赤みが強くて、濃い肉色をしています。肉のきめが細かくて、締まりがある。食べたときに、口の中で肉汁がいっぱい出るという感じ。
想像しただけで食べたくなってしまいますね。
阿波とん豚はどんな豚なのか・・・。畜舎の中を見せていただきました。
中では研究のため4種類の豚が飼育されていました。
いました!阿波とん豚を発見。豚というとピンク色のイメージですが、 見た目は、濃い茶色です。 この色が、特徴の1つなんです。
イノシシの欲しいところ。イノシシの遺伝的にいいというものを受け継いだ豚になります。
イノシシの肉は味が濃く、脂の質にも定評があります。そのおいしさを受け継いだ豚が「阿波とん豚」です。
イノシシのまま飼うわけにはいかないのですか?
たぶんですね、イノシシのまま飼おうとしたら、天井まである柵じゃないと乗り越えますし、農場で飼うのは難しいと思います。
阿波とん豚の誕生にいたるまでは、イノシシの遺伝子を解析するところから始まりました。
目指したのは、見た目に鮮やかな「赤い色」と、うまみを閉じ込める「高い保水性」です。
その特徴を受け継ぐ豚を選び抜き、何世代も交配させることで、阿波とん豚が誕生しました。
この開発には、なんと15年もかかったそうです。
生後間もない子どもには、「うり坊」のようなしま模様もあります。
イノシシの特徴がよく出ているのがわかります。
肉質の良さを最大限に引き出すため、飼育方法にもこだわりがあります。 一般的な豚は、約6か月で出荷されますが、 阿波とん豚は、それよりも1か月以上長く飼育されています。
じっくりと、徐々に成長した方が肉の深みだとか味の深みだとかが深くなるといわれておりまして、それを狙ったところがあります。
エサにも工夫があります。
普通のエサは、トウモロコシの分量が多いのですが、阿波とん豚に与えるエサは、トウモロコシが少なく、麦がたくさん入っています。
なぜ麦を食べさせるかというと…
麦を食べたら、脂肪の甘みが出ます。それを狙っていますね。 こだわりのエサで、じっくり育てることで、おいしくなるんです。
阿波とん豚を味わうため、石井町にある養豚から加工販売まで行う専門店を訪ねました。
店長の近藤保仁(こんどう・やすひと)さんは、阿波とん豚の飼育も手掛けています。
近藤さんに、バラ肉を焼いていただきました。 味付けは塩コショウのみです。
甘い。脂っぽさ感じないです。かめばかむほど、肉汁がじわっとあふれ出してきて。おいしいですね。
油を引かず、表面をカリッと焼くのがおいしく食べるコツです。
肉をサンチュやリーフレタスで巻いて食べるのもおすすめだそうです。
「阿波とん豚」は現在、徳島県内の指定販売店で購入することができます。 詳しくは、徳島県阿波とん豚ブランド確立対策協議会のホームページで確認できます。