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動き始めた行政の取り組み
動き始めた行政の取り組み
(
高松放送局・奥村 春香
)
2022年11月11日放送
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流産や死産の当事者支援として、大切な役割を期待されるのが自治体です。
去年5月、厚生労働省は各都道府県に対して、妊産婦支援の中で流産死産の当事者を支援する体制を明示して進めていくように通達しました。
自治体は当事者支援をどのように進めているのか取材しました。
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9月下旬に東大阪市で、流産や死産当事者の声を学ぶ研修会が行われました。
当事者の相談を受けたり、窓口の対応をする市の職員29人が参加しました。
この日、学んだのは、当事者への適切な接し方や声のかけ方。
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当事者の声を届けるために、自身も当事者という立場で支援に取り組む大竹麻美さんも招かれました。
行政や病院などの言動で、当事者が傷ついている実態を、実例を交えながら伝えます。
大竹さん
担当した職員は私が子どもを連れていないことを不審に思い、「赤ちゃんはどうされましたか?」「どこにいるんですか?」とたたみかけるように質問を投げつけてきました。その瞬間、涙がとめどなく流れてきました。
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すると、現場に立つ職員から質問が飛び出します。
職員
「おつらかったですね」という声かけも傷つけてしまう言葉になるかなと思うところでもあるので、あまり使わないように意識していたんですが…。
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大竹さんとともに活動をする遠藤佑子さんが答えます。
遠藤さん
言葉にとらわれないでいいのかなと思っているんですね。
「わかりたい」という姿勢をもって、目の前にいてくれる人が発した言葉に傷つくことっていうのは少ないかもしれません。
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大阪府では、去年から毎年、こうした研修を府内全ての自治体で行うことを求めています。
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一方、香川県では、流産死産の当事者支援は、どうなっているのでしょうか?
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香川県は、これまでと同じく流産・死産の当事者の相談は、不妊・不育症相談センターの窓口で行うということでした。
また、大阪府が進めている研修会のような当事者支援は、今年度中は考えていないということです。
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流産や死産当事者への支援について、香川県も含めて行政に期待されることは何か。
大阪大学講師で、臨床心理士として流産や死産の心のケアに取り組む
管生聖子(すがお・しょうこ)さんに聞きました。
管生さん
ようやく国も動き始めているという、いま現在進行形のものなので。
まず一番大切なのは、身近なこととして、行政の方たちもよく知っておくということ。
ご本人たちがどんな思いでいるのか、そこに心を寄せることが大切。
そのほかに行政に期待したいことは、病院や当事者支援団体をつないでいく役割。
今は、病院では病院のスタッフがいろんなケアを提供し、地域では当事者支援団体など、それぞれの場所でいろんな人が少しずつ、何とか流産・死産をされた方に寄り添う活動をばらばらに行っている。そこをつなぐ役割を行政が担ってリードして、「お手伝いやサポートするところがあるよ」と教えてもらうだけでも、かなり心強いと思う。
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最後に、管生さんに今後どんな社会になってほしいのかを聞きました。
管生さん
いろんなマニュアルであったり、「ここに行けばこういうふうに分かるよ」。
というシステマチックなものではなく、背景にしっかりと赤ちゃんに対しての温かい気持ちであったり、赤ちゃんを亡くされたご両親や、そのご家族に対しての優しさみたいなものが広がっていくといいなって思う。
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番組が実施したアンケートにも「流産や死産を知ってほしい」という多くの声が寄せられました。
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「順調に妊娠、出産できることは、当たり前ではないことをもっとたくさんの人に知ってもらいたいです。」 (香川県 30代・女性)
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「地上にいない子どもも親からすると、れっきとした自分の子どもです。それを皆さんに分かってほしいです。」 (熊本県 30代・女性)
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「皆さんの思いが届きますように。」 (千葉県 20代・女性)
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多くの人たちが、流産や死産について知り、当事者に温かく寄り添える社会を願っています。
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香川県の相談窓口はこちらです。
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<相談窓口>
香川県不妊不育症相談センター TEL: 087-816-1085
(相談専門電話)
東讃保健福祉事務所 TEL: 0879-29-8264
中讃保健福祉事務所 TEL: 0877-24-9963
西讃保健福祉事務所 TEL: 0875-25-2052
お住まいの地域の相談窓口や子育て世代包括支援センター
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関連リンク
・記事②なぜ流産死産“特有の悲しみ”が生まれるのか
・記事③当事者にどう寄り添えばいいのか
・アンケート回答一覧「みなさんの思い」
※なお掲載している情報は放送当時のものです。