SNSなどで話題 恐竜レースに込めた医師の願い
- 2023年11月27日
恐竜にふんした姿で全力疾走する「恐竜レース」がSNSなどで話題となっています。
11月には観音寺市でも開催されたこのイベント。
仕掛けたのは、ひとりの医師でした。
今 大人気!恐竜レース
カラフルな恐竜たちが砂浜を勢いよく駆け抜けています。
11月3日。観音寺市の有明浜で行われた恐竜の着ぐるみをまとって走るレース。
東京や大阪など全国からおよそ120頭が集まりました。
海外が発祥のこのレース。去年4月に日本で初めて行われると話題に。
今年は、少なくとも全国80か所で開催されています。
大会を主催したのは・・・小児科の医師
去年から有明浜での大会を主催している川口幸穂(かわぐち・ゆきほ)さんです。
川口さんは香川大学医学部附属病院で働いています。
イベントを開いたきっかけは、小児科の医師として感じたある思いからでした。
香川大学医学部附属病院 小児科 医員 川口幸穂さん
長期入院されるお子さんがいると、家族で病気と闘わなきゃいけない側面がある。
特に当時は新型コロナのピーク時期だったので、付き添いの家族も基本的には1人だけで、交代ができない。
半年とか年単位で1人の家族にしか会えないような生活が続いていた場合が多かった。
制限の多い時期に闘病生活を経験した、子どもやその家族を近くで見ていた川口さん。
笑顔を取り戻す機会をつくることができないかと考えていた時に、たまたま目にしたのが他県で行われていた恐竜のレースでした。
「シンプルなのにおもしろい」
そんな恐竜レースの魅力が家族を応援するものになるのではと思い、香川県でも大会を開催することにしたのです。
レースへの参加を楽しみにしている家族
高松市内に住む渡邊さん家族です。
長男の律くんは、白血病の診断を受けて、1年半、川口さんのいる医療チームと闘病生活を送りました。
私がずっと個室の部屋から出られない状態だった。
病室では、お母さんがつきっきりで律くんの看病を。
自宅では、お父さんやおじいさん、おばあさんが、家事や弟の育児を行う生活でした。
その後、律くんは順調に回復し、去年退院。
現在は通院治療をしながら幼稚園にも通えるようになりました。
幼稚園の運動会で走りまわっているのを見て、涙が出るほど感動しました。
この子自身も恐竜レースを楽しみにしているんです。
律くんのレースでの目標は・・・
レース当日
律くんが挑むのは子どもの部ですが、一緒に走るのは年上の小学生ばかり。
5才の律くんは、この大会の出場者の中で最年少。
普段は元気な律くん、スタートラインでは、何だか不安そう…
ヨーイ、スタート!
懸命に走る律くん。
ゴール近くでは家族が応援しています。
1位にこそなれませんでしたが、無事にゴール。
80メートルあまりの砂浜を力走しました!
悔しそうな律くんに、優しく声をかけるお母さん。
律くんの走りを見て、元気をもらえました。
大会を主催している川口さんも、律くんを気にかけていました。
小学生のお兄ちゃんたちがいる中で走り切った。頑張りました。
ありがとうございました。
1年前には想像できなかった、笑顔溢れる1日となりました。
※なお掲載している情報は放送当時のものです。