地上放送高度化技術

地上波によるスーパーハイビジョン放送実現に向けた伝送技術の探究

地上放送高度化技術の検証

次世代の地上テレビジョン放送システムの研究を進めています。システムを構成する映像・音声符号化方式、多重化方式、伝送路符号化方式 を開発し、技術試験事務においてスーパーハイビジョン放送や高度な放送通信融合サービスの実現を目指して技術検証を進めています。

地上放送の高度化に関する技術検討スケジュール

1. 伝送路符号化方式の実証実験

1つのチャンネル帯域幅(6MHz)で固定受信用のスーパーハイビジョン放送と移動受信用のハイビジョン放送を同時に提供する方式を開発し、実用化に向けた技術的な調査検討を行っています。東京、大阪、名古屋、福岡の実験試験局を用いて、様々な受信環境で固定受信特性や移動受信特性の評価を進めています。

2. 放送通信融合に向けた多重化方式の実証実験

高度な放送通信融合サービスを可能とするための送出システムと受信システムを試作するとともに、放送コンテンツに加えて通信コンテンツをIPマルチキャストで伝送する実証実験を行い、効率的な多重化方式やコンテンツ配信方法の検証を進めています。

3. 映像・音声符号化方式

さまざまな視聴形態に対応できる高品質・高機能な映像・音声サービスを実現するため、VVC (Versatile Video Coding※1)や、MPEG-H 3D Audio Baseline(BL)プロファイル※2に対応した符号化装置・復号装置の開発を進めています。

  1. 2020年7月に標準化が完了した最新の映像符号化方式。
  2. 2021年1月に標準化が完了した、Low Complexity (LC)プロファイルよりも実装負荷が軽い最新のプロファイル

本研究の一部は、総務省の周波数ひっ迫対策技術試験事務「放送用周波数を有効活用する技術方策に関する調査検討」の請負者である一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)から業務を請け負い実施しています。

MPEG-H 3D Audio BLプロファイルに対応したリアルタイム音声符号化・復号装置は、フラウンホーファー集積回路研究所と協力して開発しています。