NHKスペシャル

新シルクロード 激動の大地をゆく
流浪の道 ユーラシア

シルクロードの今を見つめて、中央アジア、ロシア、中東を旅する大型シリーズ「新シルクロード 激動の大地をゆく」(2007年放送)を、二回にわたる総集編としてお伝えする。

一回目は、ユーラシアを横断する草原の道、オアシスの道を行く。この道では、ソビエト連邦崩壊後、新しい国家が次々と誕生し、今再び、人々が大きく動いている。現代シルクロードをさまよう人々に出会いながら、中国とカザフスタンとの国境を出発点に西へ、アジアとヨーロッパの境界トルコまで旅する。

中央アジアの大草原には、新国家カザフスタン誕生後に祖国への帰還を目指す中国のカザフ族や、現金収入を求め全国から綿花畑に働きに来るウズベキスタンの「おしん」たちがいた。標高5000メートルの山々に抱かれたコーカサスに入ると、民族紛争で故郷を追われた難民の一家や、戦火の中でブドウを守り続けたワイン発祥地グルジアの家族の姿があった。そして、巨大国家ロシアでは、各地から季節労働者が流れ込む一方で、民族意識が高まりを見せ、「祖国を守れ」を合言葉にロシア帝政時代のコサックが復活していた。旧ソビエト連邦のシルクロードに生きる人々の声に耳を傾ける旅である。